ソフトバンクBB(孫正義社長兼CEO)は8月中にも、ADSLサービス「ヤフーBB」会員向けに、ASP(アプリケーションの期間貸し)型のストリーミング配信でソフトウェアを提供する新サービス「BBソフト」の試験運用を開始する。当初は無料サービスとして会員に利用してもらい、システム運用上の検証を経て、9月中にも有料サービスとして本格稼動させる。ソフトを丸ごと購入する従来型のウェブ販売やダウンロード販売と異なり、利用期間に対し小額課金するシステム。サービス開始時には、ゲームやホーム、地図、家計簿など約30社のソフトが40─50タイトル提供される見通しだ。

当初は月額課金制で運用

 「BBソフト」は、米ストリーム・セオリー社が開発したストリーミング配信でソフトを利用できる独自技術「ストリームセオリーシステム」を採用。ソフトバンクBBのサーバーにソフトを格納して、会員は必要な時にASP方式でストリーミング配信を受けて利用できる。会員は、サーバーと連動するモジュール「BBソフトプレイヤー」(無料)をパソコンにインストールするだけで、サービス上で提供されるソフトを自由に使うことができる。

 8月中は無料サービス期間とし、先着限定で利用してもらう。試験運用の規模は数万会員を見込んでいる。9月中には、運用上の問題点の洗い出しやシステムの品質を高め、1か月ごとの小額課金制で本格的に提供開始する。サービス開始時には、ジャストシステムの家庭向け統合ソフト「ジャストホーム」、ロールプレイングゲーム、地図、家計簿、タイピング、語学など、パソコン量販店でも市販されている40-50タイトルのソフトを揃える。年内には50社、100タイトルを予定している。

 サービス利用額は、ソフト開発側とソフトバンクBBの契約に基づくためタイトルにより異なるが、1本あたり月額100-500円になる見通し。パッケージソフトのようなインストール作業が必要ないため、「当初は、パソコン初心者やソフトに興味はあっても購入に至らない中級者向けに利用を広げる狙いで、売れ筋ソフトを揃えた」(瀧進太郎・MD本部BBサービス統括部統括部長代行)という。

 ソフトバンクBBでは、店頭で10万円以上する業務ソフトなど、ビジネス向けソフトも順次揃える計画。その際の課金については、申告ソフトなど利用が一定期間に集中するソフト向けに、回数、日数、時間数などの単位で利用できる従量制を加えることも検討している。

 ソフトのバージョン更新は、ソフトバンクBBがサーバー側で実施するため、会員は店頭パッケージのようにバージョンアップ版を購入する必要がない。また、バージョン更新に伴うアップデートなど、会員側で煩わしい作業をしなくて済む。ADSLを介したサービスであるため、ソフトの利用回数やソフト機能の利用頻度といったログ(記録)を取ることができ、「ログ情報をソフト開発の参考にしてもらう」(山本成勝・MD本部BBサービス統括部BBビジネス企画部部長)ことも可能。将来的に、ログ情報をソフト会社に提供することも示唆する。

 店頭のソフト流通で約8割を扱うソフトバンクBBが行う新サービスだけに、「パッケージの店頭販売が減るのでは」との不安もありそうだが、瀧統括部長代行は「当社が20数年間のソフト流通事業で培ったノウハウを新サービスに生かし、ソフト市場を活性化させ、ソフト会社と店頭の両者に直接・間接的に利益を還元できるようにする」と、店頭ソフト販売と「BBソフト」が結びついた“相乗効果”を強調する。

photo