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アジェンダ 業種特化戦略を展開 ソリューションビジネス拡大

2004/11/08 21:15

週刊BCN 2004年11月08日vol.1063掲載

 アジェンダ(松井文也社長)は、下請け開発中心の体質から脱却し、ソリューションビジネスを拡大させる。今年度(2005年3月期)の企業向けソフト開発事業のうち7割弱は、いわゆる下請け的な受託ソフト開発が占める見通しだが、ソリューション力の強化を推進することで、来年度(06年3月期)はソフト開発事業のうち半分ほどを提案型のソリューションビジネスに切り替え、収益力の増強を目指す。

 ソリューションビジネス強化に向けて、同社では業種に特化したソリューション開発を急ぐ。すでに、旅行業、印刷業、製造業などの業種に焦点を当てた開発に着手しており、このうち、旅行業、印刷業の分野では、ウェブを活用した受発注システムなどを完成させた。いずれも従来の受託ソフト開発とは異なり、納入先の企業にシステムを提案し、顧客企業の業務ノウハウをフルに取り入れながら先方企業と共同で開発した。

 焦点を当てた3業種に向けた同社オリジナルの業務アプリケーションの開発も進んでいる。旅行業では、海外旅行業務を支援する業務アプリケーション「スカイグローブ」の販売を今年10月から本格的に始めた。今後、他の2業種についても、オリジナルの業務アプリケーションの開発を進める方針。

 下請的な受託ソフト開発は、安価な海外での開発が進んでいるなどの影響を受け、単価下落が進んでいるという。松井社長は、「収益は、何人のプログラマーを投入したかによって決まるものではなく、提供するサービスの品質や業務ノウハウ、技術力など総合的な力によって得られるべき」だと判断。ターゲットとする業種を絞り込み、開発資源を集中的に投入できるようにしたり、顧客企業との共同開発などを通じてサービス品質や技術力を向上に努める。

 同社の今年度(05年3月期)の売上高は、前年度並みの約7億円の見込み。このうち約6割が企業向けのソフト開発事業が占め、残り約4割をコンシューマ向けのパッケージソフトの販売が占めると予想する。来年度(06年3月期)はソリューションビジネスの本格的な拡大などが期待されることから、売上高8-10億円を目指す。
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