米アドビシステムズの2004年度(04年12月期)売上高は16億6700万ドル(前年度比29%増)で、過去最高を記録した。日本法人のアドビシステムズ(石井幹社長)もワールドワイドの業績と同様の伸び率を示し、快進撃を続ける。業績拡大の理由、そして今年度の強化ポイントは何か。米アドビシステムの副社長も務める石井・日本法人社長に聞いた。(木村剛士)

 ──米アドビシステムズは昨年度、過去最高の売上高を記録した。業績アップの理由は。

 昨年度(04年12月期)は新製品を数多くリリースできたことが大きく寄与した。「フォトショップ」や「イラストレータ」、「インデザイン」などを統合したデザインプラットフォーム「クリエイティブスイート」を04年1月に発売し、PDF作成を中心としたドキュメントソフト「アクロバット」の新バージョンも提供できた。

 特にクリエイティブスイートは、グラフィックスデザイン関連ソフトを統合した全く新しいコンセプトの製品。新たなニーズを喚起し、期待以上の伸びを見せてくれた。

 ──アクロバットの新バージョンでは、セキュリティ対策を強化するなど複数の新機能を盛り込んだ。日本市場ではPDF作成ツールという位置づけから抜け出せない印象を受ける。

 確かにPDFを作成するだけのソフトと思っているユーザーは多い。これは以前から払拭できていないことであり、伝えきれていないアクロバットの豊富な機能とメリットを、エンドユーザーとパートナーに向けて今年は本格的に訴えていく。

 なかでもドキュメントへのアクセス制御などのセキュリティ機能は、「個人情報保護法」や「電子文書法(e文書法)」の施行が迫っているだけに、最もアピールしていきたい。アクロバットを使うことで電子ドキュメントのセキュリティが強化できることを知ってもらえれば、新たな需要が喚起できる。

 ──アクロバットは間接販売が中心。拡販のためには支援プログラムの強化がポイントになる。

 パートナーが売りやすい環境を作ることも機能のアピールと同じくらい重要だと考えている。共同セミナーや共同営業などパートナーとさらに連携を図った取り組みを行っていく。

 ──05年のキーワードは。

 個人、法人両市場で共通しているが、「顧客の業務の中核にさらに入り込んでいく」ことだ。アドビの製品は、常に高いレベルで機能追加を図っているが、まだすべての機能をユーザーが利用しているとは思っていない。基本的な機能だけでなく、アドビのきめ細かいファンクションをさらに訴え、顧客の情報システムやデジタルライフの中核となる存在にする。さらに成長するためにはそれが不可欠だ。