【ソウル発】韓国では、ノートパソコンの価格破壊が急速に進んでいる。2004年末にノートパソコンの“心理的価格抵抗線”といわれた100万ウォン(約10万円)台を下回ってから、最近は70万ウォン線まで価格が下がっている。わずか4-5か月で30万ウォン以上も価格が下がったことになる。

 竜山電子街をはじめとして、主なパソコン量販店では最近60万ウォン台のノートパソコンが登場し、関心を集めている。「Hasee」という会社のこの中国製ノートパソコンは、「AnyNote(エニーノート)」というブランド名で2つのモデルを発売している。CD-ROMドライブを搭載した「エニーノートM120C」が68万ウォン、CD-RWとDVDのコンボドライブを装着した「エニーノートM120Cコンボ」モデルが74万ウォンという低価格である。

 仕様はインテル・セレロンM310・1.2GHz、256MBメモリと30GBハードディスクを搭載している。インターネットや一般的な仕事用には十分なスペックであるため人気が高く、飛ぶように売れている。初期輸入ロットは完売し、買いたくても買えない状況が続いている。

 ノートパソコンの価格破壊には大手企業も参入し始めた。今年初めまでは、三星電子やLG電子など大手企業は、中小企業の価格破壊にも関わらず高価格製品中心のプレミアム戦略を堅持していた。しかし最近は戦略を変更し、低価格パソコン市場にも進出している。

 三星電子は主力モデルの1つである「Sense SP28-D130」モデルの価格を100万ウォン以下に値下げし、LG電子の「Xnote」とヒューレット・パッカード(HP)の「コンパックプレサリオ」の一部モデルも100万ウォン以下になっている。

 デルは高級仕様モデルであるインテル・ソノマCPUを搭載した「ラティテュードD510」モデルを付加価値税(10%)抜きで99万9000ウォンで発売。また04年末には99万9000ウォンだった「ラティテュードD505」を79万ウォンへと、わずか数か月の間に価格を20万ウォンも値下げるなど低価格ノートパソコン市場で攻勢をかけている。

 ノートパソコンの価格破壊が進む一方で、市場の変化も予想されている。「エバーラテック」モデルで最近低価格ノートパソコン市場をリードしてきた三宝コンピューター(Trigem Computer)は、04年の韓国ノートパソコン市場のメーカー別シェアで5位を占めたが、低価格型ノートパソコン販売の好調により今年は一気に2位にシェアを上げた。

 しかし、三宝コンピューターは韓国ノートパソコン市場で躍進していたにもかかわらず、海外OEM(相手先ブランドによる生産)事業の不振などにより、日本の会社更生法にあたる法廷管理を申請する事態となった。

 三宝コンピューターにとどまらず、中国製モデルが低価格をアピールしながら本格的に韓国パソコン市場に入ってくれば、ほとんどの韓国パソコンメーカーが経営的に厳しい状況を迎えることになる。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)