日本ヒューレット・パッカード(日本HP、小田晋吾社長)は、次世代のSCSI規格「シリアル・アタッチド・SCSI(SAS)」の採用を本格化することで、HDD(ハードディスクドライブ)へのアクセスの高速化を進める。SCSIはコンピュータ本体とHDDなど周辺機器を接続する通信規格で、次世代規格のSASでは将来的に従来のSCSIの約4倍の速度を実現する拡張性があるという。同時にHDDの小型化も進めることで電力消費の削減に取り組む。

 従来のSCSIと次世代SASとは互換性がないため、日本HPでは今後1年半から2年をかけてSASへの移行を推進していく。移行期間を長く設定することで、移行にかかるユーザーの負担を軽減する。SASは通信速度が速く耐久性も高いことから、重要なデータを保存するストレージサーバーなどの分野から普及が進む見通し。

 HDDを供給するメーカーも「SAS製品への移行を進める」(日本HPの香取明宏・エンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部プロダクトマーケティング部マネージャ)と見られており、業界全体がSASへ移行していくのは必至だ話す。

 SAS移行を進めると同時に、HDD本体の小型化も進める。従来、サーバーでは3.5インチのHDDが主流だったが、今後はノートパソコンなどに採用されている2.5インチHDDの採用を増やす。2.5インチのHDDは3.5インチに比べて電力消費が約3割少なく、省電力や発熱量を軽減できる。発熱量が下がることでサーバーの故障率を下げる効果も期待されている。

 日本HPでは、すでにSASおよび2.5インチHDD採用のPCサーバー新製品の受注を始めており、8月上旬までに計6機種を出荷する。今後も同規格を採用した品揃えを増やしていく予定。

 現在、SASや2.5インチHDDは、従来のSCSIや3.5インチHDDに比べて割高だが、今後はHDDメーカーの増産が見込まれていることから、「量産効果で価格は下がる」(日本HPの橘一徳・エンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部ビジネスプランニング部部長)と予測する。価格が下がることで、SASや2.5インチHDDを採用したサーバーの販売に弾みがつくと見られている。