台湾のパソコンメーカー、CTOの日本法人であるCTO(蔡永桂社長)は、シンクライアントサーバーを中心としたソリューション「ディスク・イメージ・ディストリビューション(DID)システム」を開発、サーバービジネスに本格参入した。CTO(注文仕様生産)モデルのパソコンを発売してきた実績を生かし、シンクライアントサーバーおよび端末を開発した。今後、システムインテグレータ(SI)をパートナーとして開拓し、システム案件の受注拡大を図る。

 CTOは、パソコンメーカーのエフ・アイ・シー販売が自社ブランドパソコン「CTO」シリーズの知名度を高めるため、今年4月にCTOに社名変更した。第1弾の製品としてシンクライアントシステム「DIDシステム」を開発し、大企業を中心に顧客開拓に力を入れている。

 蔡社長は、「個人情報保護法が完全施行されたことで、セキュリティを切り口としたシステム案件の商談が出てきた。シンクライアントシステムで受注を増やしていく」として、シンクライアントシステム関連のビジネスで今年度(2006年3月期)に1億円の売り上げを見込む。

 DIDシステムは、サーバー側がOSやアプリケーションだけでなく、デバイスドライバや設定情報なども一括管理する。これにより、通常のシンクライアントサーバーでは、パフォーマンス面で厳しいとされる3Dグラフィックスなどデータ量の大きいファイルを扱うアプリケーションも利用できるという。

 OSやアプリケーションなどの処理を端末側で実行するため、サーバーの負荷を軽減でき、処理を高速化するなど端末のハードウェア面を強化することも可能だ。

 シンクライアントシステム関連のビジネスは、大手サーバーメーカーが先行しており、CTOは後発。しかし、「顧客のさまざまなニーズに応えた端末などを開発する点では、大手メーカーよりも小回りが利く」と、新規顧客の獲得に自信をみせる。

 販路は、SIなどソリューションを提供するベンダーを想定し、「来年3月末までに30社程度とパートナー契約を結びたい」意向。現段階では販売パートナーを開拓している。「パートナーを増やせば、シンクライアントシステムだけでなく、パソコンの販売でもアライアンスを組むなど、次のビジネスにつながる」とみている。

 CTOの主力であるパソコン本体のビジネスは、「成熟市場で、利益を確保しにくくなりつつある」のが実情。パソコンの低価格化が進むなかで、シンクライアントシステムの場合、「ハードディスクドライブ(HDD)を搭載していない端末でも価格を高く設定でき、粗利率も高い」という。

 蔡社長は、「パソコンだけでは、顧客企業を競合他社に奪われる危険性もある」と、パソコン単独のビジネスではソリューション提案に負ける恐れがあると見ている。そこで、パソコンビジネスに新たな付加価値を提供するため、シンクライアントシステムを切り口に、「自社ブランドでのサーバーの開発を本格化させた」という。