【ソウル発】 韓国では、過去において国家情報機関が一部政治家らに対して違法で盗聴をしていたという事実が報道されて以来、大きな波紋が広がっている。特に今まで盗聴が不可能とされていた携帯電話が、実は簡単に盗聴できるという事実が明らかになり、大きな衝撃を与えている。IT業界では盗聴防止商品やサービスが続々と登場しており、思わぬところでセキュリティ関連市場は活気を帯びている。

 有線通信事業者のオンセ通信は、通信事業者のなかで最も早くから「有線電話秘話機」を利用した盗聴防止サービスを始めた。秘話機とは電話の盗聴を防止する目的で作られた装置。音声をデジタル信号による暗号に変えて送受信するため、通話の途中で他人が盗聴しても音声を聞くことはできない。今まで軍と情報機関、一部の大企業で部分的に使われていたが、一般のユーザーを対象に本格的なサービス開始は今回が初めてとなる。

 韓国最大の有線通信事業者であるKTも、秘話システムのテストを終え、早急に関連サービスを実施する計画だ。従来からの秘話機では、つながった双方の電話機に盗聴防止装置が設置されないと盗聴を防止できなかった。新たにKTがサービス開始を狙うシステムでは、電話をかける側の電話に設置されていれば盗聴防止機能が働くのが特徴だ。

 盗聴防止機能を搭載した秘話携帯電話にも関心が集まっている。携帯電話機メーカーでは、すでに何年も前から関連技術を開発していることが知られていたが、実用化されていなかった。しかし最近では、盗聴が社会的に重大な問題となっており、一部の携帯電話事業者が秘話携帯電話の商用化について検討していることが明らかになっている。

 韓国3Mはガラス用建築フィルムで盗聴を防止できる「3Mスコッチシールド盗聴防止フィルム」を発売した。この製品は高い電気伝導性を持ち、高周波を遮断できる。また特殊コーティング処理により目に見える光は通過し、それ以外の領域は遮断する特性を持っている。携帯電話や無線LAN、ブルートゥースなど高周波領域の通信信号および赤外線を利用した通信信号がガラスから漏れるのを防止することができる。ガラスに貼付するだけで簡単に施工できるため、多くの企業が関心を示しているようだ。

 情報通信部も違法な盗聴を防止するための対策を準備している。陳大済(チン・デジェ)情報通信部長官は、「CDMAに新しい暗号方式を導入し、発・着信認証、不法複製処罰強化などにより携帯電話監聴および盗聴に対する国民的不安を解消していく」ことを明らかにしている。
鄭載学(ジョン・ジェハク=BCNソウル特約記者)