CIJ(中野正三社長)は、7-8月に関連会社1社を子会社化したほか、ソフトウェア開発会社2社を相次ぎ買収するなど、規模拡大と新規事業参入を積極化させている。同社主力の官公庁・自治体向けシステム開発では、大手ITベンダーから受注して収益を増やしてきたが、今回買収した2社がもつGIS(地理情報システム)や上流工程の開発ツールなどを生かし、自ら案件を獲得できる体制を整えた。同社の昨年度(2005年6月期)の連結決算は、売上高が約82億円(前年度比8.0%増)だったが、積極的な事業提携やM&A(企業の合併・買収)などの効果で、今年度(06年6月期)同100億円以上を見込む。

 CIJは7月、システム開発の上流工程で使用するCASE(コンピュータ支援ソフトウェア工学)ツール「Xupper(クロスアッパー)」を専門に販売しているケン・システムコンサルティング(東京)の株式88%を8360万円で取得し、子会社化した。これにより、システム開発のコンサルティングやソフト開発の要件定義など上流工程に関するノウハウを得ることができ、官公庁・自治体や一般企業の受託開発を増やすことができるという。

 また、8月には、半導体や宇宙関連の受託開発やGISなど、ウェブ実装技術や組込み技術を基盤としたシステム案件に実績のある日本構研システムズ(NKS、東京)の発行済株式61.7%を1億円で取得した。NKSの人材部門とは、CIJの連結子会社で短期システム開発技術者の派遣業、ソフィアスタッフとの連携を視野に入れている。

 今回の2社の買収について、野木秀子・常務取締役は、「CIJにも外国製の開発ツールがあるが、日本人向けでなく使い勝手が悪かった。しかし、クロスアッパーを得ることで、上流工程の受託開発を効率化でき、直接的な案件を増やせる。また、NKSの買収により、半導体や宇宙関連の新規分野への参入が可能になり、収益に貢献する」と、既存事業との相乗効果を期待する。

 さらに、CIJは8月、関連会社で九州地区のシステム開発拠点であるカスタネット(福岡)を、株式交換で同社の全株式を取得して、完全子会社化。同地区でのソフト開発や受託業務が、CIJの来年度の業績に貢献するという。

 CIJは76年、米コム・スチュートからコンパイラ専門会社として独立した(当時の社名は日本コンピュータ研究所)。官公庁や自治体、一般企業向けのシステム開発にともなう設計、製造、運用・保守と関連するサービスで業績を伸ばしてきた。特に、ソフトのコンパイラ開発に加え、OSを制御する基本ソフト開発やネットワークの通信処理プログラムであるミドルウェア開発に定評がある。00年に現在の「CIJ」に社名変更し、01年にジャスダックへ店頭公開したあと、02年に東証2部上場、04年に東証1部上場した。

 今回の買収などにより、連結子会社は計10社になった。野木常務取締役は、「業務拡大をする上で、今後も有力パッケージや技術力を持つ企業を買収していく」と、M&A戦略を継続していく方針だ。買収効果などにより、今年度は、売上高102億9200万円、経常利益7億6300万円、純利益3億8300万円と、大幅な増収増益を見込んでいる。