NEC(金杉明信社長)は、ミドルウェアの拡販を目的に「統合ソフトウェア・パートナー制度」を新設、11月から本格的に展開を始める。これまでは、NEC特約店を中心としたグループと、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)などのグループでパートナー制度が分かれていたが、これを統合して販売支援策を拡充することで、ミドルウェアの拡販に結びつける。パートナー数は現在の約200社から、今後2-3年内に1000社に拡大する。

パートナー数を1000社へ拡大

 NECは自社製ミドルウェアの拡販を目的に、11月からパートナー制度を大幅に拡充する。これまでは、NEC特約店を中心とした約100社のセールス・パートナーと、ISVなど個別製品ごとのアライアンスをベースとしたパートナー約100社の計約200社がNECのミドルウェアビジネスに参加してきた。

 今回の「統合ソフトウェア・パートナー制度」では、NEC特約店などのセールス・パートナーを「パートナープログラム・フォー・ソフトウェアソリューションパートナー」とし、ISVなどアライアンス・パートナーを「パートナープログラム・フォー・ソフトウェアサーティファイドメンバーズ」と位置づけ、それぞれのメリットを拡充する。

 NEC特約店はハードウェアの販売などで従来からNECとの結びつきが強かったものの、ISVなどのアライアンス・パートナーは、NEC製ミドルウェアを取り扱うメリットが薄いといった課題があった。これを受けて新制度では、営業支援や開発支援、事前の情報提供などを手厚くし、パートナーがよりメリットを享受できる仕組みに改める。たとえば、開発支援策では、NEC製ミドルウェアを使ってシステムを開発する時に使う開発用ソフトウェアのライセンス料を通常価格の40%に割引く。開発用ライセンスの年間保守料も同20%で販売するなどの優遇策を導入する。

 NEC製ミドルウェア関連のセミナーも、内容を充実させた上で開催回数も増やす。NECやNEC特約店が開催するセミナーなどで、NEC製ミドルウェアを採用したISVの製品を紹介。こうした活動により、「NEC製ミドルウェアに対応した製品の露出を増やす」(岡田高行・システムソフトウェア事業本部長兼ソフトウェア事業企画室)ことで、パートナーのビジネス拡大に貢献する。

 今年度(2006年3月期)は、営業支援などNEC製ミドルウェアに関するマーケティングの投資額が前年度に比べ2倍余りに増える見通しで、来年度(07年3月期)も引き続き投資額を積み増していく。NEC製ミドルウェアや対応製品の認知度を高めることで拡販に結びつける考えだ。一連の施策により、数年内にパートナー数を現在の5倍に相当する1000社に増やす。

 データベースやアプリケーションサーバーなど、すでにデファクトスタンダードに近い競合製品が多数あるが、NECでは競合他社にはない独自のミドルウェアで「新しい市場を創出する」(池田秀一・システムソフトウェア事業本部ブランドマーケティング・マネージャー)と、他社との差別化が可能な製品を中心に売り込む。これによって、NEC製ミドルウェアの売上高を今後2-3年内に倍増させる計画だ。

 NECは社内に優れたミドルウェアを多数持っているが、競合の日本アイ・ビー・エム(日本IBM)などに比べ影が薄かった。ここにきて販売体制を一新し、ビジネス拡大へ踏み出したことで、NECのミドルウェア戦略は大きな転換期を迎える。