東芝ソリューション(梶川茂司社長)はこのほど、テラバイト級の大容量データを高速検索できるXMLデータベース「TX1」を商品化した。同社の得意分野で、XMLの利用が進む新聞や医療、金融・保険、電子政府などの業種・業態への販売を開始する。すでに、「TX1」を中核にした4つのソリューションについては直販に着手済み。今後は、東芝グループ会社やシステムインテグレータ(SI)を通じた間接販売を拡充するほか、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)と共同で「TX1」エンジンを組み込んだパッケージ型ソリューションを増やす活動を積極化させる。

 XMLは、電子商取引をはじめ新聞や医療、金融・保険などの業界で「定型データ」の交換を目的に利用が拡大している。また、企業がコンプライアンス(法令遵守)体制を整備する観点から、商品企画書や提案書、価格表、メールなど「非定型データ」の管理にXMLの採用が増えている。

 だが、一般的に普及するRDBでXMLデータを管理しようとすると、「XMLの階層構造をRDBの表形式にマッピングする必要がある」(松井浩二・プラットフォームソリューション事業部ソフトウェア開発部参事)ため、設計や開発に手間がかかる。

 「TX1」は、XMLの階層構造をそのままの形式で格納でき、データ構造を変更しても最新データを再格納するだけで済む。他社製のXMLデータベースは、00年頃から普及したが、「データ容量が増すと検索性能が低下する」(齋藤稔・プラットフォームソリューション事業部商品企画部参事)という問題があったため、一般にはあまり普及していないのが現状。その点、「TX1」はXMLデータからデータ構造を自動的に抽出して索引化したり、検索処理の手順を最適化する独自の技術を搭載。テラバイト級のXMLデータでも高速検索が可能という。

 松井参事は、「大容量データを抱える企業は、検索性能に頭を悩ませている。定型データならば、RDBでも性能が発揮できるが、大容量データ環境では、XMLデータベースを利用した方がコストやシステムの柔軟性を保てる」と、企業の利用用途に応じてRDBか「TX1」を選択していくことを提案する。

 11月までに、保険文書や電力情報共有、次世代新聞素材管理、電子文書や画像などを扱うコンテンツマネジメントの業種向けソリューション4製品を揃え、直販を開始する。また、東芝グループ会社やSI、ISVに働きかけ、「TX1」エンジンを組み込んだパッケージ型ソリューションを増やす。「RDBを置き換えるのではなく、何らかのアプリケーションとの連携を強化する」(松井参事)と、業界標準の問い合わせ言語「XQuery」やAPIに対応し、効率的なアプリケーション開発をできるようにしている。

 「TX1」のライセンス販売とパッケージ型ソリューションにより、今後3年間で110億円の売上高を見込んでいる。