【ソウル発】韓国では、500万画素以上、音楽再生、HDD内蔵といったハイエンドな携帯電話が、80万ウォン(約9万円)を超える価格にもかかわらず月4万台以上も売れている。生産が追いつかず、予約販売も受け付けられないほどの売れ行きだ。長期化する不景気の中でも携帯電話のように自分だけのもの、人の目に付きやすいものは最高級品で揃えたいという若い世代の傾向が一層強くなったようだ。

 この売れ行きには、携帯電話専門家も驚いている。「500万画素以上のカメラ付き携帯は、三星電子やLG電子が販売目的というより技術力を誇示するために試しに作った製品。300万画素もあれば日常で十分使えるはずなのに、こんなにユーザーが熱狂するとは予想しなかった」と首をひねる。

 確かに、ベンダー側もこんなに需要があるとは予測できなかっただろう。三星電子は昨年10月に発売した世界初の500万画素携帯と、今年7月に発売した700万画素携帯を合わせ11万台以上販売した。LG電子が今年7月発売した500万画素MP3携帯は毎日1000-1500台以上売れている。三星電子は800万画素携帯も公開した。ペンタックは今月中に折りたたみ式500万画素携帯を発売する。

 LG電子は世界初「インナーズーム(Inner Zoom)」タイプの携帯電話用500万画素光学3倍ズームカメラモジュールを開発した。ズームしてもレンズが外に飛び出さずカメラモジュール中で移動するからコンパクトでアウターズーム(Outer Zoom)カメラより素早く写真が撮れる。

 LG電子は、今回の技術により画質とデザインの両方を画期的に変身させた携帯電話で、市場をリードしたいと意欲的に挑んでいる。さらに来年上半期には先端機能を取り揃えた1000万画素携帯、地上波DMB(1セグ)と衛星DMB(モバイル衛星放送)の両方を視聴できるデュアル携帯、HSDPA、10GBHDDなど3-4世代携帯電話が続々発売される予定だ。三星電子は今月、世界初の「デュアルDMBフォン(SPH-B4100)」を発売する。

 こうした背景には、これから相次ぐ新規サービスを利用するために、大規模な買い換え需要が発生するはずという思惑が働いている。今月から1セグが商用化され、来年上半期には世界初Wibro(高速で移動しながらも利用できる無線LAN)も本格的にサービスを開始する。また情報通信部が携帯電話補助金支給を来年3月から解禁したため、高価な先端携帯でも、より求めやすい価格で提供できるという見込みのもとに発売を急いでいるわけだ。

 この中でベンダーがもっとも気を遣っているのは3.5世代のHSDPA携帯だ。三星電子とLG電子は、既存の携帯より6倍早い転送速度を持つHSDPA端末開発をどっちが先に出すかで熾烈な競争を繰り広げている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)