松下電器産業が環境(ECO)とユニバーサルデザイン(UD)にこだわって開発した実験住宅「イーユーハウス」が、東京江東区有明のパナソニックセンター東京に完成、2006年1月から一般公開される。松下電工とパナホームとで「家まるごと1軒」を松下製品だけでつくり上げた。投資額は9600万円で、坪(3.3平方メートル)単価で計算すると120万円の“超高級”住宅。新しい情報発信拠点として活用していく考えだ。

 RFIDタグを使った防犯システム、燃料電池を制御するエネルギー管理システムに、家電製品は視聴覚が弱った高齢者にも操作しやすさを追求。環境問題や高齢化を意識したさまざまな設備が装備された。

 「デバイス事業以外、松下の商品はすべて住宅に関係していると言って過言ではない。イーユーハウスも松下製品だけでつくり上げた」と、営業部門を総括する戸田一雄副社長は胸を張る。04年4月に松下電工を完全子会社化したことで「家まるごと1軒」が実現したわけで、松下グループならではのプロジェクトである。

 イーユーハウスの延べ床面積は80坪で、住宅本体部分の坪単価はプレハブ住宅としては平均的な75万円で、投資額は6000万円。残り3600万円が燃料電池やプラズマテレビ、ホームシアター用の組み込み家具などとなる。

 「ECOとUDは、世界的にみても日本が大きく進んでいる分野。海外戦略を展開していくうえで大きな武器になる」。一見すると商品競争力に結びつかないように見えるECOとUDの技術も、実際に住宅の中で利用すれば、その効果が実感しやすい。「ECOとUDは思った以上に研究開発投資が必要となる技術」という言葉に、企業格差が広がりつつある電機業界で勝ち残る自信が垣間見える。