沖データ ワークグループでの利用狙う
前野社長「当社は変わる」と強調


 沖データ、ブラザー工業が相次いでA4カラーレーザー複合機を発表、同市場を巡る主導権争いは一挙に白熱化してきた。複合機市場は、複写機メーカーが複写機をベースにした製品を投入、市場開拓に当たってきたが、カラーで毎分10枚機ゾーンでも100万円はするなど高価だった。エプソンはその隙をついてベースモデルで30万円を割るA3モデルを投入、プリンタベースの複合機として市場で認知されつつある。プリンタメーカーである沖データ、ブラザーはさらにA4に絞り込むことで低価格、省スペースを実現、新市場の開拓に取り組む。この3社の中では、エプソンとブラザーは「SOHO市場」をメインターゲットにしているのに対し、沖データは「企業内ワークグループでの使用」に照準を合わせてきた。

 沖データ(前野幹彦社長)は、高速A4カラー複合機「C5510MFP」を11月25日に記者会見して発表、「国内カラー複合機市場に本格参入する。そのために営業体制を一新、販売網も強化する」(前野社長)と宣言した。同社は、ポストスクリプト向け市場では高いシェアを誇ってきたが、一般オフィス向け市場ではもう一つだった。この現状打破を狙って、今年は、意欲的に一般オフィス向け製品のライン強化を図ってきたが、今回の新製品でその路線をさらに加速させる。

 新製品「C5510MFP」は、カラースキャン速度毎分10枚、カラープリント速度毎分12枚、カラーコピー速度毎分8枚の機能を持ったA4カラー複合機で、価格は19万7400円。

 同社は現在、営業力の強化に取り組んでおり、10月1日付けで、沖電気カスタマアドテックでプリンタの消耗品とサポートサービスを担当していた部門を吸収、統合した。「プリンタ本体から消耗品、アフターサポートもワンストップで提供できる体制をつくる」のが狙いだ。この統合によって、営業要員は120人から230人に増強、全国販売の拠点も東京、名古屋、大阪、福岡の4拠点から、札幌、仙台、静岡、広島、高松を加えた9拠点とした。

 2006年度には国内カラープリンタで25%のシェア、300億円の売り上げを目指すというのが当面の目標。「そのためには当社が変わらなければならない。変わるためにあらゆる手を打っている」と前野社長は強調した。それを象徴していたのが、新製品発表会で大量のチアガールを投入、場を盛り上げようとしていた試み。ディーラーと記者が同席するという発表会だったが、「あの沖データがここまでやるの」という驚きの声が上がっていた。

ブラザー工業 来年1月上旬に発売
実売価格14万8000円を想定


 ブラザー工業(平田誠一社長)は、A4版デジタル複合機の新製品として「マルチファンクションセンターMFC-9420CN」を来年1月上旬に発売する。同社としては初のカラーレーザーエンジンを搭載した複合機で、ファクス、プリンタ、コピー、スキャナ、ネットワーク機能を搭載、カラーは最高毎分8枚、モノクロは最高毎分31枚のプリント&コピー機能を持っている。価格はオープンだが、実売は14万8000円と推定している。

 同社はこれまでデジタル複合機にはモノクロで対応してきたが、「カラー化は時代の流れ」と見てカラーモデルの開発を急いできた。開発に当たっては、市場調査を実施。その結果、①カラープリントは、プレゼンテーション資料や説明資料において訴求力を高める効果があると認識しているユーザーが多い②ランニングコストへの関心は高い③使用する媒体は「普通紙」が全体の85%、用紙サイズは「A4印刷」が全体の95%を占める④選定基準としては「多機能」をあげる声が圧倒的に多い──ことなどがわかったという。

 これを元に開発したのが今回の新製品で、ユーザー層としてはSOHOから一般企業のワークグループでの利用を想定、充実した機能、低ランニングコスト、省スペース性をとくに重視したという。

 主な特徴は、①カラー毎分8枚、モノクロ毎分31枚の高速印刷②スーパーG3のカラーFAXを標準搭載③コピーチャージは一切不要で、モノクロ3円/枚、カラー15円/枚の低ランニングコストを実現──など。同社では、A4カラーレーザープリンタの市場規模は2004年で6万台強、05年は10万台を突破すると予測、同社の参入でさらに市場は活性化するものと見ている。