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日本IBM iシリーズの付加価値 販売戦略を加速 ディストリビュータと連携 来年度100種類のソフトを追加

2005/12/12 12:47

週刊BCN 2005年12月12日vol.1117掲載

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、統合アプリケーションサーバー「iシリーズ」の付加価値販売戦略を加速させる。iシリーズに最適化した業務パッケージソフトを来年度(2006年12月期)新たに約100種類の追加を目指すとともに、iシリーズのディストリビュータと連携した付加価値サービスの拡充を進める。価格競争が激化するPCサーバーとは対照的に、iシリーズは基幹業務システムの統合など需要の高まりなどを受け、金額ベースで好調な伸びを続けている。付加価値戦略をさらに推し進めることで、iシリーズの事業拡大を狙う。

 日本IBMはiシリーズに最適化した業務アプリケーションを来年度、新たに約100種類の追加を目指す。これによりiシリーズの利用範囲を広げて拡販に結びつける。すでにNTTデータイントラマートのシステム構築基盤「イントラマート」に対応した業務アプリケーションをiシリーズに最適化する作業を進めており、今年度(2005年12月期)は基幹業務システムを中心に約10種類のアプリケーションを追加する予定。来年度はイントラマートに加えて他のシステム構築基盤に対応した業務アプリケーションやサブシステムなどの取り込みを積極的に進めることで、iシリーズに最適化されたアプリケーション数を大幅に増やす。

 ディストリビュータと連携した変革も進んでいる。IBMトップディーラーの日本ビジネスコンピュータ(JBCC)は来年4月をめどにディストリビューション専門会社を設立して付加価値サービスの拡充に踏み出す。iシリーズ向けのネットワークサービスやソフトウェア、周辺機器などiシリーズの機能を最大限に引き出す付加価値商材を一手に取りまとめることで、ビジネスパートナーがiシリーズを売りやすい体制をさらに強化する。iシリーズの主要なディストリビュータはJBCC以外に2社あるが、日本IBMでは他のディストリビュータについても付加価値販売をより強化してもらうことで、販売単価のアップを図っていく方針。

 iシリーズに対応した遠隔保守サービスやセキュリティ監視などのネットワークサービスの拡充や、iシリーズに最適化した業務アプリケーションパッケージが拡充されることについて、あるIBMビジネスパートナーは「顧客企業の経営問題を解決するソリューションビジネスに、より集中できるようになる」と、顧客への提案営業により専念することで受注獲得能力が高まると話す。

 iシリーズの販売は世界的に好調で、IBMグループ全体の今年度第3四半期(2005年7-9月期)におけるiシリーズの販売額は前年同期比25%増に達し、「過去10年で最も好調」(野々下信也システム製品事業iSeries事業部事業部長)に推移している。国内においてもiシリーズに対応したソフトウェアの品揃えや、ディストリビュータやビジネスパートナーによる付加価値サービスの拡充を進めることで事業拡大を狙う。

 ローエンドのPCサーバーは激しい価格競争にさらされているものの、iシリーズはPCサーバなどオープン系のサーバーとは異なる独自のアーキテクチャーを武器に、付加価値戦略を推し進めることで「金額ベースでの大幅な伸び」が期待できると判断している。
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