日立製作所(庄山悦彦社長)は、今年2月から開始したHDD(ハードディスクドライブ)非搭載のセキュリティパソコンなどを核としたした「セキュアクライアントソリューション」の2005年度(06年3月期)の事業目標を上方修正した。当初、売上高100億円、販売台数3万台に設定していた目標を、それぞれ200億円、5万台と、金額ベースで倍に引き上げた。

 金融機関や官公庁、大手製造業などから引き合いが寄せられ、「事業開始から10か月を経て、大変強い手応えを感じている」(古川一夫執行役副社長情報・通信グループ長&CEO)という。

 同社は2月から、モバイルパソコンからの情報漏えい対策として「セキュアクライアントソリューション」の提供を開始。5月には、アプリケーションやデータなどの業務情報をセンターに集約するクライアントブレード「フローラ bd100」や液晶一体型デスクトップ、A4ノート型など、HDD非搭載のセキュリティパソコンの品揃えを拡充した。さらに、12月には「フローラ bd100」の保守・運用管理機能を強化したほか、既存のパソコンを活用できる簡易導入モデルも追加した。

 日立ではソリューションの提供にあたり、自社内にセキュリティパソコン、クライアントブレードの導入を決め、これまでにそれぞれ1万台を配置してきた。これを06年度(07年3月期)にはそれぞれ8000台ずつ追加し、07年度(08年3月期)末には累計でセキュリティパソコン7万台、クライアントブレード7万台体制とする計画。

 こうした自社導入事例から得られた成果として、セキュリティ性の向上のみならず、ワークスタイルの変革も可能になったという。同社の試算によると、意志決定のスピードアップやスペースの効率活用などにより、顧客対応時間の30%向上、見積・提案時間の50%削減、フロアスペース効率の30%向上、共通スペースの倍増などが図れたとしている。

 古川執行役副社長は「セキュリティ技術を使い込んでフィードバックできるのは日立だけ。来年もトップランナーとして走り続けたい」と意欲をみせており、同社予想による2010年のセキュアクライアント市場規模60万台のうち、「最低でも30%、20万台以上のシェアを獲得していきたい」としている。