KDDI(小野寺正社長)は、携帯電話向け業務アプリケーションソフトの品揃えを強化する。来年度(2007年3月期)末までに約300社のソフト開発ベンダーに業務アプリケーションやビジネスコンテンツの開発をコミットしてもらうことで、KDDIの携帯電話で動作する企業向けソフトの大幅な拡充を図る。携帯電話向けソフトウェアの開発では約1000社のパートナーと協業するKDDIだが、企業向けの業務アプリケーションの品揃えは十分ではなかった。今後はXMLウェブサービスの技術を活用することで、品揃えを一気に拡大して同分野における売上拡大を目指す。

 携帯電話は基本ソフト(OS)などの構造がパソコンとは異なるため、従来のパソコン用の業務アプリケーションソフトを携帯電話向けに作り直すには、多額の開発コストがかさむ問題があった。

 KDDIでは、こうした問題を解決するため、XMLウェブサービスで使われる通信手順「SOAP」を使って業務アプリケーションを簡単に携帯電話に呼び出すミドルウェアを開発。これまで開発に二の足を踏んでいたソフト開発ベンダーの参入を促進していく方針だ。

 すでに営業支援システム(SFA)を開発するセールスフォース・ドットコムや地理情報システム(GIS)などを開発する東京ガス・エンジニアリングなど4社ほどが、SOAPを使ってKDDIの携帯電話向けに業務アプリケーションの提供を開始している。来年度末までに約300社にSOAP方式によるソフト開発をコミットしてもらうことで、業務アプリケーションやビジネスコンテンツの品揃えを大幅に強化する。

 SOAPを使って業務アプリケーションを携帯電話に呼び出すミドルウェアは、SOAP関連技術で国内屈指の技術力を誇る札幌のソフト開発ベンダー・テクノフェイス(栗田好和社長)と共同で開発し、昨年10月から無償で開発パートナーへの提供を開始した。

 このミドルウェアを使えば、携帯電話向けに業務アプリケーションを作り直す必要がなく、XMLウェブサービスに対応しているシステムなら「短期間で携帯電話に対応させることができる」(有泉健・モバイルソリューション事業本部モバイルソリューション商品開発本部モバイルソリューション3部長)と、ソフトウェアに大きな変更を加えることなく対応できると話す。ソフト開発ベンダーにとっては開発コストや事業リスクの負担を大幅に軽減でき、素早いサービスを提供できる利点がある。

 外勤が多い営業マンやフィールドサポート、運輸など業種向けのSOAP方式による業務アプリケーションを拡充していくことで、企業向けの携帯電話の拡販や利用頻度の向上を狙う。

 新規参入が相次ぎ競争が激化しているなかで同社は、企業向けの業務アプリケーションやビジネスコンテンツなどを携帯電話に対応させることで、他社との差別化を推し進める。