ペンタブレットメーカーのワコム(山田正彦社長)は、法人向けビジネスの拡大を目指し、一般企業を新規開拓していく。これまでは、クリエイティブ分野や医療機関、保険会社など特定分野の導入が多かったが、今秋にペン機能搭載の次期OS「ウィンドウズビスタ」が投入されることで、ペン活用の需要が増えると判断。法人事業の売上高を2005年度で20億円見込んでおり、来年度以降は最低でも20%増を維持していく方針。

 法人事業の拡大に向け、SIerを販売代理店として開拓し、化粧品メーカーや建設業、配送会社、教育機関など顧客企業を増やしていく。

 小見山茂樹・取締役執行役員オペレーションズ統括GMは、「クリエイティブ分野や医療機関、保険会社など特定業界での導入事例を生かし、タブレットを社内で活用したことによる効果を訴える。一般企業のなかでも営業部門に対してプレゼン時に活用できることを提案していけば、顧客先社内の40%程度の人数には浸透していくのではないか」とみている。

 また、家電量販店やパソコン専門店など個人向け販路でも会社員の需要を獲得していく。デジタルペンでプレゼンテーションや商談が可能な「ビズタブレット」を昨年3月に市場投入。4000円弱という手頃な価格設定で徐々にユーザーが増加した。同製品により、「マウスやキーボードの代わりとして十分使えることをアピールできた」としている。今後は、大型GMS(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)など家族連れの来店が多いショップに販路を広げることにより、知名度を高めていく考えだ。

 ワールドワイドの売上高は、230億円の見通しで、個人向けビジネスやタブレットPCへのコンポーネントビジネス、法人事業ともに30%増と順調に推移している。国内ビジネスは、今年度に個人向け販売を含め売上高50億円規模の見通しで、そのうち法人向けビジネスは約20億円。伸び率はワールドワイドより比較的低いのが現状だ。しかし、「ターゲットを一般企業に広げれば、潜在需要が多くある。しかも、今秋に『ウィンドウズビスタ』が投入されることで、デジタルペンの活用が一般化していけば、国内でも法人向けビジネスが最低20%増は堅い」という。加えて、「新しいOSは、まず個人、次に企業という順で浸透するが、現時点でペンタブレットの効果を訴えていけば、新OSへのリプレースも早まる可能性があるだろう」と、相乗効果が生まれることも期待している。