ホスティング(ホスト)型業務ソフトウェアを提供する米ネットスイート(ザック・ネルソン社長兼CEO)は4月1日、全額出資子会社として日本法人(東貴彦社長)を設立した。同社の製品は、ウェブを通じたアプリケーション・サービスとして米国で急成長中のサービス型ソフト(Software as a Service=SaaS)。初期投資が少なく、場所を問わずデータにアクセスできるため、国内の既存パッケージ市場を脅かしそうだ。対象企業は従業員500人以下の中小企業。直販中心の米国と違い、国内では、ほぼ100%をチャネル販売するため、パートナー戦略を強化する。

 同社製品は、ERP(統合基幹業務システム)、CRM(顧客情報管理)、EC(電子商取引)を単一のアプリケーションでホスティング型の業務システムとして、ウェブ上に構築できるのが特徴。

 日本法人ではまず、6月にCRMの2製品としてCRMの基本機能を搭載した「NetSuite CRM」と拡張性が高い「NetSuite CRM+」を投入するほか、ERP、CRM、ECの機能を備えたスイート製品「NetSuite」、フロントとバックエンド業務用の「NetSuite Small Business」の出荷を開始する計画だ。

 日本市場向け専用機能を順次拡張する方針で、11月には、ECに日本固有のクレジットや決済、配送などの機能を加えるほか、07年4月以降に日本の会計基準や税制などに準拠してERPの機能を拡張する。東社長は「セールスリード(見込み客)の開拓から請求書の送付まで、1つのデータベースで複数のアプリケーションを共有できる」と説明。ウェブブラウザに実装された通信機能を使いXML形式の処理を行う「AJAX」を採用したダッシュボード的なインターフェイスで、企業内の各社員がリアルタイムでデータにアクセスできるという。

 日本法人は、同製品の拡販に向け、近くパートナー戦略を開始する。パートナーとしては、システム構築と一緒に製品をソリューション販売したり、ISVの製品と組み合わせて売るSI、製品を直接企業に拡販する流通・卸のほか、電話対応やアップセルなどを担当する3つのチャネル体制を構築する。

 現在の主な売り上げは、月額ライセンス料(1ユーザー当たり約1万円)、導入時の有償コンサルティングと初期設定、サポート料になる。東社長は、同社のホスティング環境が小規模サーバーをグリッド環境にしてリスク分散する形態であるため、「ERP市場では、SAP製品と同様のパワーを、より低コストで提供できる」とし、SAPやオービックビジネスコンサルタント(OBC)、ピー・シー・エー(PCA)などパッケージベンダーを競合視している。