【ソウル発】マイクロソフト(MS)が、7月から韓国でのWindows98に対するセキュリティパッチサービスを含むすべてのテクニカルサポートを中断すると発表した。韓国内PCの20%以上、350万台ほどがハッキングなどサイバーテロにさらされるのではないかと憂慮されている。

このたび発表されたサポート中断の対象となる350万台のユーザーなかには、政府機関や企業も含まれている。「WindowsMe」のほか「Windows98セカンド・エディション」もサポートが受けられなくなる。

 MSがWindows98のテクニカルサポートを中断したのは、WindowsXPなど後継OSを拡販するためであり、同時にWindows98系列製品に対する技術サービスサポート費用を節減する効果も狙ってのことだ。

 リナックスのようなOSを使えば、MSの一方的な決定に振り回されずに済む。しかし政府機関のホームページでさえWindowsに最適化されているため、今からいっせいにリナックスに代えるのも難しい。仕方なく最新バージョンのWindowsXPを購入するしかない。選択の余地がない状況だ。

 国家情報院はMSのテクニカルサポート中断方針を国民に知らせ、多角的なサイバーセキュリティ対策を立てるよう誘導する方針だ。国家情報院はハッキング遮断対策に関する「Windows98用セキュリティ勧告文」を製作し、5月から国家サイバー安全センター(韓国の基幹通信網と電算システムの安全を管轄する機関)を通じて提供する予定だ。

 MSは昨年からサポートを中断しようとしたが、利用者の反発により延期された。MSは「現在Windows2000、WindowsXPも登場し、Windows98はすで販売も中止されている。利用者が少ないOSのテクニカルサポートを中断し、他のサポートをさらに充実させる決断をした。セキュリティサービス中断被害を最小化するため、情報通信部と協力している」とコメントしている。

 MSのWindowsは使用中に問題が発生してもユーザーが手を出すことができない。著作権法によってプログラム内部を見ることもいじることも禁止されている。したがって、MSがテクニカルサポートを中断すれば他に助けを求めるところがない。

 韓国の国家情報化はMSのソフトウェアに依存する傾向が強く、複数の社会団体はオープンソースのソフトウェアに変えないと、後でMSに振り回され大変なことになると、何度も警告していた。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)