NEC(矢野薫社長)はこのほど、RFID(無線ICタグ)関連の事業を拡大するため、SIerや端末ベンダーなどで構成するビジネスパートナー制度を強化した。7月に発売したRFID管理用ミドルウェア新版「RFID Manager Ver2.0」で、パートナーのRFID対応業務アプリケーションの品揃えも図る。同2.0は、UHF帯RFIDリーダーライタなどに対応。端末から得た情報を業務に適したデータ形式や内容に加工でき、他の業務システムなどと連携できる。NECでは、このミドルウェアとパートナーの端末、業務システムを組み合わせて、見込み客の発掘に力を入れる。UHF帯の領域までカバーすることで3年間にSI案件を含め、150億円の売上高を上乗せするという。

 NECでは、RFIDの利用が加速する製造業や流通業への適応を見込み、「RFID Manager Ver2.0」を新たにUHF帯のRFIDリーダーライタやRFIDリーダーライタ搭載ハンドヘルドPCにも対応させた。また、エンタープライズ版は、国際標準団体「EPCglobal」の標準仕様「ALE」に準拠。外資系ベンダーにもRFIDに対応したミドルウェアはあるが、自社のデータベースやウェブアプリケーションサーバーなどに組み込む必要がある。同2.0は、複数のミドルウェアに対応しているため、幅広いシステム構築に利用できるのが特色。国内に同様のミドルウェアはない。

 RFIDのビジネスパートナー制度「RFID Manager WORKS」は昨秋に発足。すでに、RFIDを用いた固定資産システムのプロシップやUHF帯ICタグを提供する凸版印刷、RFIDリーダーライタをもつウェルキャットなど20社が加盟。「他社は自社製品を組み込む垂直統合的な戦略を進めているが、当社はパートナーと共同で市場を開拓する」(松田礼子・第二システムソフトウェア事業部エンジニアリングマネージャー)と、幅広いパートナーと連携する。

 同2.0は、標準的なUHF帯のリーダーライタなどに対応したことで、世界的に事業を展開する国内の製造業や流通業へのシステム提案ができるようになった。NECはパートナーの製品やソリューションと同2.0を組み合わせ、自社のコンサルティング部隊やSIerと提案活動を本格化させる。

 前版の同1.0は、300ライセンスを販売。NECパーソナルプロダクツの山形県にある米沢工場にも採用されている。RFID市場は2005年時点で4340億円。07年に7550億円に需要が拡大すると予測されている。同社は「先行案件を増やすことで、需要を急速に拡大でき、パートナーも増やせる」(松田マネージャー)と、SI案件を含め今後3年間で150億円の上乗せを目指す。