【ソウル発】iPodに比べて価格が割高にもかかわらず、アイリバーやYeppといった国産ブランドのMP3プレーヤー(MP3P)を好んで使っていた韓国ユーザーもついにiPodに傾き始めた。

 代表格だったアイリバーを製造しているレインコムの経営悪化により、 韓国MP3P業界全体が活気を失っている。その背景にはアップルの攻撃的なマーケティングがある。アップルはiPodのシェア拡大のため、低価格戦略を繰り広げた。例えば、iPodナノは韓国製MP3Pより30%ほど安い。

 従来、半導体や高級プレミアム家電市場に集中し、MP3Pはついでに作っているようなものとしか考えていなかった三星電子も、ついに韓国のMP3P産業を放置できないと動き始めた。韓国市場で三星電子のMP3P「Yepp」シリーズはあまり人気がなかったが、新製品を続々発売し、2005年から販売台数が2倍以上に増えている。

 最近、三星電子はドイツ「IFA2006ベルリン」展示会に力作と自負している「T9」と「K5」を出展した。スライド型スピーカーを内蔵し、友達と一緒に音楽が聞けるミュージックシェアリング機能、Bluetooth採用により無線イヤホンで音楽や動画を楽しめ、携帯電話と連動させて音楽を聴く途中でも、MP3Pから電話を受け取れる仕組みになっている。またパソコンから無線で音楽ファイルを転送できる。

 さらに三星電子は、iTunesミュージックストアに対抗できる独自の音楽サイトを10月にヨーロッパを舞台にオープンする計画だ。三星電子デジタルAV事業部の全東守(ジョン・ドンス)専務は「三星電子は、製品開発力はもちろん、コンテンツサービスといったソフトウェアまで事業競争力を徐々に強化している。特に新しいライフスタイルを提案する差別化された商品を持続的に発売し、MP3Pの最大輸出国としてのプライドを回復しながら市場を先導していく計画」と述べている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)