ネットテレビの事業化に向けて、松下電器産業、ソニー、東芝などが出資しているテレビポータルサービスは、2007年2月1日から、ブロードバンドを活用したデジタルテレビでの新たな視聴環境を提供する「アクトビラ(acTVila)」のサービスを開始すると発表した。

 サービス内容は、画像およびテキストによる生活関連情報の配信で、2007年度中にはストリーミングVODサービス、08年度中にはダウンロード/蓄積型サービスを提供する。

 コンテンツプロバイダをはじめとする参加企業、対応機種の拡大、今後の市場規模などについて、現時点では明言を避けているが、「すでに対応端末として、松下電器のTナビ機能搭載のVIERAシリーズがある。まずは、国内で出荷されるデジタルテレビの半分に対応し、将来的には7─8割にアクトビラ対応機種を拡大してテレビ向けのネットワークサービスの世界を構築したい」(テレビポータルサービス・大野誠一代表取締役社長)としている。既存のデジタルテレビ向けにはセット・トップ・ボックスなどで対応する考え。

 デジタルテレビにおけるネットワークサービスに関しては、03年4月に、シャープ、ソニー、東芝、日立製作所、松下電器の5社が発起会社となり、デジタルテレビ情報化研究会を設立。通信仕様の標準化に取り組み、ネットテレビ端末の仕様を策定してきた。また、06年2月には、DTVポータル検討ワーキンググループを設置し、端末技術仕様や事業形態の検討などを重ねてきた。

 テレビポータルサービスは、これらの技術や仕様をベースとした事業会社と位置づけられ、機器認証の実施や、コンテンツガイドラインの策定、接続テストやコンテンツテスト環境の提供のほか、DRM技術「マーリン」を利用した著作権保護技術の提供などを行う。

 「インターネットのコンテンツとは異なり、リビングで視聴するという、テレビならではの安全・安心、簡単・便利なサービス環境を提供する」(大野社長)と、PC業界とは一線を画すネットワークサービスの実現を目指す。  だが、現時点では、具体的な利用シーンは明らかにしていないこと、来年2月に開始されるサービスが静止画およびテキストにとどまることを考えると、放送と通信の融合というには物足りなさを感じざるを得ない。

 対応端末機種が増え、光ネットワーク回線が整備されるとともに、ストリーミングVODサービスが開始される07年度末が、むしろ普及に向けた第一段階となりそうだ。