【ソウル発】韓国では、TVとリモコンを利用して各種書類を申請するほか、地方税の納付までできる「TV電子政府」が1年間のテストサービスを経て、2006年12月15日から本格的に始まった。

 TV電子政府は行政自治部が江南区をモデル地域に選定し、江南区役所と江南ケーブルTVが2003年から3年間にわたりサービスを開発、05年11月からの区役所とケーブルTV放送社内でテスト運営を経て、06年11月から江南区の住民を対象にテストサービスを行ってきた。

 今回提供されるサービスは、自動車税・財産税など50種類の税金納付、住民票・土地台帳などの書類5種についての申請・発給、30種の電子申請、女性・子供向け生活文化サービス、大学受験用eラーニング放送、民防衛教育(軍を除隊した男性は8年間予備軍として年に数回軍事訓練をし、45歳まで民防衛として教育に参加しないといけない)、VOD江南ニュース、国政主要政策ブリーフィングなどだ。

 簡単なリモコン操作で区や市が実施するアンケートに参加できるので、住民の意見を積極的に自治体の運営に導入できる点も高く評価されている。江南区はホームページから駐車取り締まりや防犯カメラの設置などに関して住民アンケートを実施し、高い参加率を誇っている。申請書類は家庭でプリントして使えるようにセキュリティ対応しているため、自宅で申請して役所に取りに行く面倒もない。郵便で送ってもらうこともできる。

 江南区によると、インタラクティブなデジタル放送技術を基盤に、既存の電子政府とTVの特性を生かしたオーダーメード型の情報をリアルタイムで提供するTV電子政府は世界初の試みという。

 TV電子政府サービスは、ケーブルTVを申請しデジタル方式の新型(月レンタル料5000ウォン、約650円)に切り替え、TV電子政府サービス専用リモコンを申請すればすぐに利用できる。

 江南区関係者は「インターネットに慣れていない50-60代以上の世代も、役所に行かずTVから簡単に書類を申請し、税金を納付できるようになる」と利便性をアピールしている。韓国政府は07年からこのサービスを全国的に拡大して行く計画だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)