キヤノンソフトウェア(実松利幸社長)はソリューション事業を拡充する。組み込みソフト開発を中心とするエンジニアリング事業は好調だが、業務アプリケーションなど一般企業向けのソリューション事業は昨年度(2006年12月期)赤字だった。内部統制強化に関するコンサルティングや文書管理システムの拡販を通じてソリューション事業を強化。早い段階で同事業の営業利益率を5%程度に高める。

 昨年度のソリューション事業は、05年度の不採算案件が足を引っ張り、赤字に転落。キヤノン本体向けの組み込みソフトをメインとするエンジニアリング事業が14%あまりの営業利益率を叩き出しているのとは対照的な結果となった。

 不採算案件の再発防止に向けてソフト開発の成熟度を国際基準のCMMIレベル3に高めるなど開発プロセスの改善に力を注ぎ、昨年度第4四半期にようやく黒字へと転換した。

 今年度は需要が急拡大している内部統制強化のコンサルティングサービスや文書管理システムの拡販を本格化させることで収益構造を強化する。内部統制関連では昨年7月に米国企業改革法(SOX法)に詳しいコンサルティング会社のプロティビティジャパンと提携。文書管理では同分野に強いEMCのシステムを拡販する体制を今年半ばには整える。内部統制では文書管理が重視されることから顧客の業務プロセスを見直すコンサルティングと文書管理用のITツールの両方の商材を揃えることで、受注拡大につなげる。

 オリジナルで開発したJavaウェブアプリケーションを自動的に生成する開発ツールやワークフローシステムなどパッケージソフト販売は順調に推移。今後もツールやパッケージソフトをベースとしたシステム構築を軸にソリューション事業を伸ばす。グループ会社のキヤノンシステムソリューションズが基幹業務システムの構築を得意としているのに対して、キヤノンソフトウェアは「独自のツールやパッケージを切り口とした展開」(実松社長)に重点を置く。

 昨年度の連結売上高191億円のうちエンジニアリングとソリューションの比率はほぼ半々。不調だったソリューション事業を改善できれば、好調なエンジニアリングと合わせて高い成長が見込める。今年度からの中期経営計画では、既存事業の伸びに加えて内部統制や文書管理システムなど今年度から本格的にスタートする新規事業を上乗せすることで、09年度に連結売上高300億円、経常利益率7%を目指す。

 利益率の内訳はソリューション事業では約5%、エンジニアリング事業で約10%をイメージする。経営目標の達成をより確実にするためM&Aも視野に入れている。