アドビシステムズ(ギャレット・イルグ社長)は販売網の整備に乗り出す。今年夏頃をめどにビジネスパートナー向けの認定制度を導入。アドビ製品に関する深い知識や技術を高めてもらうことで販売促進につなげる。旧マクロメディアと合併して1年あまりがたち、両者の融合製品を今年相次いで投入する。旧アドビ製品とは販売ターゲットが異なるケースも多く、パートナーへの支援体制を強化することで混乱を未然に防ぐ狙いもある。

 旧マクロメディアとの合併により製品ラインナップが大幅に拡大。画像処理のPhotoshopや文書フォーマットのAcrobatなど旧アドビの主力製品に、動画ソフトのFlashなど旧マクロメディアの製品が加わった。

 Flashはインターネット上で幅広く使われており、従来の画像処理のパッケージソフトなどとは売り方が異なる。SIerやISVなど開発力、提案力があるパートナーがより多く求められている。

 合併後の販売網を整備するため「アドビソリューションパートナー」を昨年4月に新設。現在約250社のビジネスパートナーが登録している。だが、この制度はパートナーになる条件を低く設定しており、誰でも登録できるものだった。「パートナーの絶対数の多さも大切だが、中身の濃さのほうがより重要」(イルグ社長)と今年夏頃をめどに認定制度への移行を検討する。

 認定制度では、例えばアドビ製品に詳しいエンジニアの数や売上目標など具体的な指標をパートナーと共有することで関係強化を図る。また、アドビ製品を使ったビジネスを深くコミットするパートナーへの支援策を拡充する。自社内において製品に精通したコンサルタントの拡充を進めており、専門家による支援体制の強化も図る。

 今年半ばにはAcrobatやFlashなどアドビ製品を統合的に動作させる開発・実行基盤「アポロ」(開発コード名)を投入する。インターネットブラウザやOSに依存しない表現力豊かなインターネットアプリケーションの開発を可能にするものだ。

 この基盤をSIerやISVなどに採用してもらうことで、企業の業務アプリケーションのユーザーインターフェース(UI)などフロントエンド領域での事業拡大を目指す。

 米国本社ではすでに認定制度を導入済みで、早ければ4月以降に国内向けの概要をとりまとめる。フロントエンドの使い勝手を向上させる“デザインデット・イノベーション”をコンセプトとして「専門知識をもった当社コンサルタントがパートナーを支援できる体制をつくる」(伊藤かつら・ディレクターマーケティング本部長)と販売網の整備を通じて事業を拡大させる。