伊藤忠テクノソリューションズ(CTC、奥田陽一社長)は、人材育成制度を新たに導入して技術者や女性管理職の育成に役立てる。これまでも技術者のスキルアップや女性の力を引き出す取り組みは行ってきたが、制度として分かりやすく整備するのは今回が初めて。スキルやキャリアの見える化を促進することで競争力を高める。

 昨年10月に旧CRCソリューションズと経営統合し業界トップのSIerに成長する目標を明確に定めた。今回の制度はスキルやキャリア面での底上げを促進することで、成長をより確実なものにするのが狙いだ。技術者スキルの認定制度は今年4月、女性管理職を育成する制度は今年5月から段階的に導入する。

 技術者向けではスキル認定の枠組みを定めた業界標準「ITスキル標準(ITSS)」を参考にしつつも、制度設計は独自に行った。案件あたりの受注金額が比較的大きかった旧CRCソリューションズと、小から大まで幅広い案件に対応していた旧伊藤忠テクノサイエンスのそれぞれの技術者の整合性を保てるよう設計。さらに役職に関係なくスキルの度合いと報酬が連動する仕組みも取り入れる。たとえば、平社員のSEでもスキルが高いと認定されれば課長など役職者に相当する報酬を得られる。制度上、理論的には役職がなくても部長クラスの高い報酬を得る「スーパーSEが出てくる可能性もある」(富田博・取締役常務執行役員)という。

 女性の管理職育成ではメンター制度を導入する。一般女性社員の要望をヒアリングし、これに合致したスキルを持つ女性管理職が指導・相談に応じる仕組みだ。現在CTC単体ベースの女性管理職数は約20人で、当面は5人程度を指導員(メンター)として選出。10月からは全員にメンターになってもらうことで指導できる人数を増やす。

 ただこれでも制度を利用する人数は限られるため、男性の上司でも対応可能なケースでは将来的にメンターになってもらうことを検討する。

 CTC単体の社員数約3600人のうち女性社員の占める比率は約14%だが、課長職以上の管理職層に占める女性の比率は3%弱しかいない。メンター制度の充実など支援策を強化することで、2010年度までには管理職に占める女性比率を5%に高める。