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プロシップ 新減価償却の対応ソフトを販売 40年ぶりの大幅改定で“特需”

2007/03/19 19:58

週刊BCN 2007年03月19日vol.1179掲載

 業務ソフトウェア開発・販売のプロシップ(川久保真由美社長)は、2007年度の税制改正で減価償却制度が40年ぶりに大幅な見直しがされる見通しとなったことから、新制度に対応した主力製品「ProPlusシリーズ」の固定資産管理ソリューションの新版「バージョン4.3」を近くリリースする。既存ユーザー企業には新版を無償提供する。他社の中堅中小企業向けERP(統合基幹業務システム)を導入する企業などには、新規にモジュール販売する。同社の今年度(07年3月期)の売上高は約27億円の見込み。来年度は、制度改正特需を受け、20%以上の増収を目指す。

 同社の固定資産管理ソリューションは、買掛金やリース資産、建設仮勘定、固定資産、減損会計などの管理システムを搭載し、会計システムや電子帳簿システムなどとの連携性に優れた戦略的なシステムとして、上場企業を中心に国内で約2000システム(2月末現在)が導入されている。このうち、制度改正を見越して、すでに約400社から新版を導入したカスタマイズ案件が発生している。

 政府は1月中旬、07年度税制改正要綱を閣議決定し、設備投資額の全額損金参入と一部製造設備の耐用年数見直しを柱とした減価償却制度の大幅な改正を行う見通しだ。新制度では、07年4月1日以降に取得した資産については、従来の定率法に代わる新たな償却方法を採用。また、既存資産も備忘価額までの償却が認められた。

 このため、「固定資産管理システムを変更することが必須になる。他社に先駆けて新制度に対応する製品を出すことで、先行者利益を得ることができる」(川久保社長)と自信をみせる。固定資産管理の機能は、国内外のERPに組み込まれている例が多いものの、新制度への対応が遅れる可能性が大きい。プロシップは、専業ベンダーであるため、早急に対応できるという。

 既存ユーザー企業に加え、ERPを導入する企業へ販売パートナーを通じてモジュールを提供する。さらに、この制度改正や内部統制強化の動きに合わせスクラッチ開発した基幹システムをオープン化する企業が増えると予測し、拡販を活発化する方針だ。

 この税制改正後は、08年度に「リース・オンバランス」の強制適用、09年度に「資産除去債務」が予定されている。こうした一連の制度会計上のロードマップを踏まえたメジャーバージョンアップ版を年内にリリースする計画だ。来年度は新規に50社程度への導入を目指す。
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