無線LAN関連機器メーカーのメルー・ネットワークス(末松秀明代表取締役)は、無線LANルータの販売増に向けてSMB(中堅・中小企業)をユーザーとして獲得する方針を掲げた。昨年前半までは大企業を対象としたビジネスが中心だったが、後半からSMBへの提供が徐々に出始めた。そこで、今年から本格的にSMB向け事業に着手。年末までにはSMB向け事業の売上比率を全体の50%まで引き上げる方針だ。

 メルーの製品は、無線LAN環境で音声のIP化が可能であるという点で定評がある。そこで、昨年前半までは“ワイヤレスVoIP”を他社との差別化として掲げてきた。大企業を中心にユーザー企業を獲得し、売上比率は昨年前半の時点で大企業向け事業がほとんどを占めていた。

 ところが、昨年後半から徐々にSMBへ提供するケースが増加した。末松代表取締役は、「SMBからの問い合わせは、データアクセス関連の案件がほとんどだった」という。これは、個人向けの無線LANルータを導入しているSMBが、オフィスの増床などに対応できなくなったため。そこで、今年からSMB向けにはデータアクセスを全面に押し出したビジネスに着手した。個人向け製品と比較すると、単体では同社の製品のほうが高いものの、「アクセス範囲の点で、当社の製品は1個で十分だが個人向け製品は2-3個を購入しなければならない場合もある。また、SIやサポートなどを含めたトータルソリューションでは、当社から導入したほうがはるかにリーズナブル」と強調する。

 他社との差別化機能であるVoIP機能については、「安定したデータアクセスができるだけでなく、当社の製品を導入すれば“VoIPレディ”の環境になることを訴えている」としている。最近では、1台のデュアル携帯端末を携帯電話と内線電話として活用する「モバイルセントレックス」へのニーズが高まりつつある。しかも、オフィス移転にともなって同システムの導入を検討するSMBも増えている。

 「当社にとっては、ビジネス拡大の機運が高まっている」としており、モバイルセントレックスのユーザー企業を増やすための新製品を近く発売する予定だ。