北海道旭川市にある旭山動物園の動物がインターネット上で立体的に体感できる──。

マイクロソフト「Windows Vista」の標準機能である「WPF(Windows Presentation Foundation)」を活用した同園の新ウェブサイト「Mother Earth~母なる地球」が公開された。このサイトを構築した地元ITベンダー団体、旭川ICT協議会と旭川市、マイクロソフトは4月25日、同園で記者会見し、臨場感溢れるサイトが構築されるまでの経緯を明らかにした。

 旭山動物園は、動物の姿形を見せる「形態展示」でなく、自然の生態そのままの「行動展示」を導入。昨年は、独特の展示を見ようと、世界から入場者が集まり、306万人を記録した。

 一見、リアルな体験を本筋とする動物園とITは相反すると思われるが、マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は「最新のテクノロジーを活用し、人々に新しい体験を提供できる」と、動物の生態を立体的・直感的にリアルに表現できるWPFに自信をのぞかせた。

 これに対し、同園の小菅正夫・園長は「画面を通じて見るより、実際に来園して欲しいが、(新サイトなら)来られない人々に園のメッセージを正確に伝えられ、関心を持ってもらえる」と、世界へメッセージが波及することを期待している。

 同サイトを構築したのは、地場ITベンダー35社で3年前に組織した旭川ICT協議会。これまで、オープンソースソフトウェア(OSS)に活路を見いだそうとしていたが、「マイクロソフトの最新技術のノウハウを得て、多方面に活動を推し進めていく」(同協議会の関仁・コンピューター・ビジネス社長)方針だ。

 旭川市のIT産業は、北海道内の地域順位で札幌市、函館市などに次ぐ4番目。「人口では道内2位なのに、IT産業が低迷している」(関社長)ことから、旭山動物園の実績を叩き台に、市内外から案件を獲得し、IT産業を盛り上げようと検討している。