大手シンクタンクの三菱総合研究所(MRI、田中將介社長)は、民間企業を対象としたSIビジネスを拡大させる。旧三菱銀行系SIerの旧ダイヤモンドコンピューターサービス(現三菱総研DCS)を傘下に収め、SIビジネスを本格化。三菱東京UFJ銀行とも連携を強化し、同行がもつ全国約40万社の顧客企業をターゲットとした営業活動に力を入れる。今年度(2007年9月期)に入り、「民間企業向けビジネスが急ピッチで拡大している」(田中社長)と手応えを感じているようだ。

 MRIは05年に経営方針を大きく転換した。従来の売上高に占める官公庁関連の比率は7割前後で、国や自治体などの政策研究をビジネスの柱としてきた。業績も過去数年は260億円前後とほぼ横ばいで推移。だが、05年3月に三菱総研DCSを連結子会社化してからは、大手SIerとしてビジネスを伸ばす方針を明確に打ち出す。三菱総研DCSを連結した初めての昨年度決算では、売上高が一気に700億円近くに増えた。

 官公庁に強いMRIと金融系に強い三菱総研DCSだが、一方で民間の顧客を開拓する営業力は他の大手SIerに比べて弱い側面がある。そこで組んだのが全国約40万社の顧客ベースをもち、約300支社を展開する三菱東京UFJ銀行との連携である。銀行の営業力で集めてきた案件情報をMRIに集約し、有望案件の獲得を目指すという仕組みだ。これに調査会社の三菱UFJリサーチ&コンサルティングも加わった4社連携でビジネス拡大を目指す。

 昨年度は4社ともに初めての経験で戸惑いや混乱もあったが、「今年度に入ってスピード感をもって案件獲得が進んでいる」と、連携が本格的に機能し始めたと話す。今後3年程度でMRIグループの最終利益を70─80億円規模に拡大させる方針を示す。昨年度の経常利益が36億円であることを考えると、収益力の大幅強化を成し遂げる構えだ。将来的にはSIerの最終利益ランキングで上位10位入りを目標に据える。

 収益力向上の源泉となるのがMRIのコンサルティング、グランドデザイン力など上流工程のノウハウの活用と、三菱総研DCSの開発・生産力の増強である。MRIのコンサルティング力や三菱総研DCSが提供するITを活用した経営改革を通じて顧客企業の収益力が高まれば、三菱東京UFJ銀行にもプラスになる。こうした好循環の図式を築き上げていくことで事業拡大を図る。