【ソウル発】7月から有無線インターネット、CATV、電話、インターネット電話など放送と通信のセット販売割引が解禁となるうえ、来年3月からは、KT(Korean Telecom)の固定電話番号のままインターネット電話を利用できる番号移動制度もスタートする。これまで一人勝ちしているKTのシェア切り崩しに向けて、通信事業者と放送事業者間の主導権争いが本格化するのは必至だ。

 情報通信部が6月に発表した「市場支配的事業者の通信サービス結合販売告示及び認可指針」によって、シェア50%を超えているインターネットサービス・市内電話事業者であるKTと移動通信のSKTも料金の割引ができるようになった。今までKTとSKTは、料金やサービス内容を変更するためには情報通信部に申告し、複雑な審議が必要であった。このため両社はサービス価格を値下げしたくてもできないという言い訳を繰り返してきた。これによって、収益を伸ばし支配的事業者として市場を掌握してきた。

 情報通信部は、審査簡素化制度を導入して特別な失格条件がない限りセット販売認可申請を受けた日から30日以内に、標準料金の10%以内でセット販売割引を許可する方針だ。この簡素化制度によってKT、SKテレコム、LG、HanaroTelecomなど通信業者は、すべて系列会社や他社と提携してインターネット、電話、CATVなどの商品をセットで申し込むと料金を割り引くセット販売を準備している。グループ会社に有線インターネット業者を持たないSKテレコムや移動通信キャリアと縁がないHanaroが、どこと提携するのかが注目の的になっている。

 LGDACOMは、子会社LGパワーコムの約150万超の高速インターネット加入者を対象に、「超高速インターネット+インターネット電話」のセット加入に対して料金を10%割り引く。9月からはインターネットTV(IPTVの前身でTVとセットトップボックスを利用してVODを利用する通信業者が主体のサービス)+超高速インターネット+インターネット電話のTPS(Triple Play Service)、さらに長期的にはLGテレコムの携帯電話までをセットで割り引くQPS(Quadruple Play Service)計画を持っている。

 SKテレコムはグループ会社のSKテリンクとシー・アンド・エムが発売した「ケーブルTV+超高速インターネット+インターネット電話」のTPSに、自社の携帯電話料金も割り引くQPSを準備している。特にSKテレコムは、今年下半期にはKTの固定電話市場を狙い、屋内では固定電話、屋外では携帯電話として使える「携帯電話+Wifiフォン」のデュアル携帯でKTの市内電話市場も積極的に攻略する計画だ。

 今年春から超高速インターネット+電話+TVポータルのセット加入で、最大20%割引が可能となるセット商品を販売し、133万人の加入者を確保したHanaroもKTFと3G携帯電話までをセットにできないかと交渉中だ。Hanaroは、加入者の33%がセット商品に加入しているが、これを年末まで40%に引き上げたいとしている。

 KTはSKテレコムや競合事業者らのセット商品を検討し、子会社であるKTFの3G携帯電話とモバイルWiMAXのWibro、インターネットTVを組み合わせて割り引く。KTは肝心な市内電話の割引には消極的だ。固定電話の売上高は、総売上高11兆7809億ウォンの36%を占め、韓国全固定電話の92%を占める独占事業でもあるからだ。KTはセット商品が加入者維持に効果的との点は認めながらも、短期的には売り上げが落ちるとして他の事業者の動向を把握してから対応するとしている。

 だが来年3月、インターネット電話と固定電話の番号移動制度が始まれば、KTの固定電話加入者は激減すると予想されている。インターネット電話の番号移動制度は地域間の移動による局番調整問題、加入者当たり1500ウォンずつ賦課される相互接続料も改善されなくてはならないが、セット販売で料金割引を促進し、通信市場の競争激化を促進する情報通信部の政策は、ユーザーに歓迎されている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)