日本AMD(森下正敏社長)は、このほど市場投入した新プロセッサ「クアッドコアAMD Opteronプロセッサ」で戦略的なプラットフォーム製品が出揃うことになり、本格的な事業拡大へと乗り出す。昨年、買収したATIテクノロジーズジャパンとの統合効果も出てきているという。これまで、なかなかシェアを伸ばせなかった国内CPU市場で競合他社と互角に競争できる素地が固まったようだ。

 このほど出荷を開始したクアッドコアプロセッサにより、「この1年間で戦略的なプラットフォーム製品が、すべて出揃ったことになる」(森下社長)。今年6月には、東芝がノートパソコンに同社チップを採用することになった実績もあり、「売り上げと利益ともに伸ばす体制が整った」と自信をみせる。

 国内事業の拡大策については、CPU市場でのシェアアップに力を注いでいるものの、インテルの支配力が圧倒的に大きいことから、なかなかシェアを伸ばすことが難しい状況。ところが、「逆にいえば、シェアを伸ばす余地があるということ。クアッドコアの市場投入でアドバンテージが出てきた。とくにワット性能など機能面では他社に負けない製品といえる。前に出れるチャンスは十分にある」としている。マーケットシェアは、「できるだけ早い段階で30%を獲得する」方針だ。

 ATI買収後の組織体制については、「企業文化やオペレーションは問題なく統合が図れている。優れた相乗効果を発揮できる」とみている。ATIのグラフィックス機能を搭載した統合チップ・セットを市場投入していることからも、「CPUとグラフィックスの融合を果たしており、相互補完が図れている」と評価する。最近では、コンピュータとデジタル家電の隔てがなくなりつつあるといわれている。統合チップセットにより、「“デジタルコンシューマ”をテーマにチップサイドから新しい市場を創出できるのは当社しかない」と言い切っており、「さまざまなベンダーとのパートナーシップを深めていきたい」考えを示している。

 さらに、環境を考慮に入れた「グリーンIT」の活動を他社に先駆けて行っており、「ITの観点で解決していかなければならいという考えが、最近では政府レベルでも一段と高まっている。いち早く取り組んできた当社が果たす役割は大きいといえる」とアピールする。