日中韓のソフトウェア団体が主催する「アジアEA(エンタープライズ・アプリケーション)フォーラム」が10月4・5日の両日、IT展示会「CEATEC」と併設して千葉県幕張で開催された。今回は一昨年の中国・北京、昨年の韓国・ソウルに続き、初めて日本で開催。各国のIT動向を把握し、ソフトベンダーがアジア圏で相互に連携して欧米に対抗する技術協力などの推進方策を検討した。本紙は、来日した各国団体代表者3氏に取材。各代表は、「アジア的なニーズはある」「欧米製品に比べ強みがあり、連携すれば力になる」などと述べ、ユーザー企業を含め、3国ソフトベンダーの協力関係をさらに深めるべきであると強調した。

 アジアEAフォーラムは、中国ソフトウェア産業協会(CSIA)の呼び掛けに応じ、日本のコンピュータソフトウェア協会(CSAJ)、韓国ソフトウェア産業協会(KOSA)の3団体主催のイベントである。もともとは日中韓のソフトベンダーが一堂に会して結束を深める場として「アジアERP(統合基幹業務システム)フォーラム」と表記し、2005年1月に第1回が開催された。

 今回は、ERPだけでなく、フロントシステムとの連携性が高まっているとして、現名称に変更。日中韓のソフトベンダー100社から200人が集まり、アプリケーションを含めた内容に改めた。

 今回のフォーラムで各国共通の話題は、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やSaaS(Software as a Service)など、世界が注目する技術をいかに推進するかであった。中国の陳冲・CSIA理事長は「SOAやSaaSが世界で注目を集めている。アジアでは、こうした技術の進展が遅い。しかし、遅い分(後発な分)チャンスがある」と、製造業など共通の産業を抱える各国の「アジア的ニーズ」を組み合わせることで、アジア企業に最適なシステムが構築できると主張する。

 これを受け、韓国の朴敬哲・KOSA会長は「技術的な共有化を韓日中で検討すべきだし、協業ができる仕組みが必要だ」と語る。CSAJの会長を務めるオービックビジネスコンサルタントの和田成史社長も「実際に各国のシステムを共通化するには、ローカライズの問題など、ハードルがある。しかし、現在はXMLやXBRL(財務諸表などを記述するXML言語)など新技術で製品連携できる可能性がある」と、第4回目以降に技術的な連携などを具体的に議論すべきと指摘した。

 陳・CSIA理事長は「各国のソフトベンダーが相互に特徴を理解し、新ビジネスをアジアで創出する時期にきている」と、欧米に対抗した戦略を各国で模索する必要があるとしている。

 各国のソフトベンダーは、いずれも欧米の業務アプリケーションに比べ、世界展開できていない悩みをもつ。4回目以降は、ユーザー企業担当者も交え、SOAやSaaSなど新技術を活用し、アジアに適した業務アプリケーションを相互に研究することが主要議題になりそうだ。

 フォーラムの初日には、本紙の谷畑良胤・編集長も登壇。スクラッチ(手組み)開発が多い日本市場の現状に言及して「部門、企業の壁を超え、企業が全体最適化を進める時代だ。パッケージがますます浸透する」と見通しを語った。