問題案件の引当金が発生

 TIS(岡本晋社長)は2007年度(08年3月期)中間決算で、単体営業利益が当初予想値から約59億円下回る見通しを発表した。主に大口の不採算プロジェクトについての引当金計上を中間期に行ったことによるもの。今回の引き当てによって、「来年度以降は大きく振れない見通し」(岡本社長)と、再度の下方修正は避けられるとの感触を得ている。

 問題の案件は4年ほど前に一括請負した金融系とみられるシステム構築プロジェクト。ここ数年、TISの利益を圧迫する原因になっている。要件定義からプログラム開発、テストの各工程を一括して見積もった金額で受注。だが、その後、主にテスト工程の費用が予想を大きく上回る規模に膨れあがり、不採算に陥った。

 テスト工程が増えたのは、「顧客企業による仕様変更に等しい」とTISは主張したが、顧客はあくまでも当初の契約の範囲内との認識を変えなかった模様。最終的にはITの専門家と弁護士による調停を行った。法廷闘争を覚悟するまで深刻化した問題案件だったが、調停によって解決のめどがついてきたとしている。

 今回の案件によって、これまで累計で200億円規模の費用が発生している模様。直近の人的リソースの投入規模は人月ベースでおよそ1500人。TISが動員できるSE・プログラマ全体の約2割に相当する大規模なものだ。来年度に向けて当該案件にかかわる人員数は順次減っていく見込みで、来年度末までには、相当数を他の有望案件に割り当てられるようになると見込んでいる。これにより業績回復を目指す。

 今年度通期の連結売上高は当初予想より2.4%減の2000億円、営業利益は同20%減の80億円になる見通し。他の主力プロジェクトは「順調に推移している」ことから、赤字は避けられる見込みを示した。