NEC(矢野薫社長)はサーバー仮想化の品揃えを強化する。仮想マシンの可用性を高めたり、複数の仮想マシンを統合的に運用管理できるソフトウェアや、仮想マシンを搭載できる無停止型サーバーなどを拡充する。システムの二重化や運用管理を統合化することで、大規模な基幹業務システムでの使用に耐えられる仕組みをつくる。こうした取り組みによってサーバー仮想化ビジネスの付加価値を高め、事業拡大を目指す考えだ。

 PCサーバーを中心とする仮想化ソフトを巡っては、米ヴイエムウェアをはじめとする海外のソフト開発ベンダーが先行している。NECはサーバー仮想化ソフトを基幹業務系へスムーズに適用させるためのソフトウェア、ハードウェア両面での品揃えを強化することで付加価値を高め、ビジネスの拡大を狙う。

 仮想化技術は、ここにきて基幹業務システムへの適用が急ピッチで進行している。例えば、マルチコアのCPUを搭載した高性能サーバーの上で複数の仮想マシンを動作させることでシステムを集約させ、物理的なサーバー台数を削減する方法もある。このような手を打つことにより、管理費用の削減を図るユーザーが増えている。

 ところが、こうしたケースでシステム障害が発生すると、すべての仮想マシンがダウンしてしまうこともあり得る。サーバーを集約することで、「障害まで集約させてしまう」(小池康夫・第二コンピュータソフトウェア事業部グループマネージャー)ことになりかねない。NECでは、独自に開発したシステムを多重化するソフトによって可用性を高めたり、無停止型サーバー上で仮想マシンを動かせるようにするなどの施策を打つことで、顧客の需要に応えていく方針だ。

 また、仮想マシンを活用したシステムがさらに大規模化すれば、異なるベンダーの仮想マシンを並行して稼働させるケースも増えてくることが予想される。先行するヴイエムウェアや今年10月に仮想化ソフトベンダーのゼンソースを買収したシトリックス・システムズ、仮想化機能に対応した次期サーバーOSの開発を進めているマイクロソフトなど、複数ベンダーのプラットフォーム上で動作する仮想マシンを、「統合的に管理する需要」が今後高まるものとみられている。

 NECでは、自前の運用管理ソフト「WebSAM SigmaSystemCenter」を軸に、既存の物理マシン、異なるプラットフォーム上で動作する仮想マシン、ネットワーク、ストレージなどを統合的に管理できるようにすることで、他社との差別化を図る。これによりサーバー仮想化ビジネスを有利に進める。