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IPA、「情報処理技術者試験 新試験制度の手引」の最終報告書を公表

2007/12/26 22:27

 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は12月25日、07年4月に設置した「新試験制度審議委員会」で検討していた新しい試験制度の具体化について「最終報告書」をとりまとめ、「情報処理技術者試験 新試験制度の手引-高度IT人材への道標-」を公表した。

 IPAでは、共通キャリア・スキルフレームワークの下で客観的な人材評価メカニズムを構築するため、情報処理技術者試験を抜本的に改定し、ITスキル標準(ITSS)、組込みスキル標準(ETSS)、情報システムユーザースキル標準(UISS)の各人材スキル標準との整合化を図り、同フレームワークを参照モデルとしてレベル判定の尺度に利用できるよう、「新試験制度審議委員会」で新しい試験制度の具体的な設計を進めてきた。

 07年9月7日に「中間報告書」を公表した後、9月27日まで実施したパブリックコメントをもとに多くの改善を行い、その結果を「最終報告書」としてとりまとめた。また、新設する「ITパスポート試験」への理解を深めてもらうために、サンプル問題を含む「ITパスポート試験の手引」を「最終報告書」に追加した。

 「最終報告書」では、新試験と現行試験の対応関係について、試験制度改正後も現行試験の合格者が適切に評価されるよう、対応関係を明確に整理。09年度春期からすべての試験区分を新試験制度で実施するが、現行試験区分のうち「初級システムアドミニストレータ試験」については、十分な周知期間の設定の要望などを踏まえ、09年度春期試験まで継続実施する。

 「ITパスポート試験」については、試験の公平性を確保しつつ、確実・安定的にCBT方式による試験を実施するためには入念な準備が必要なため、試験開始当初はペーパー方式で実施し、11年度を目途に本格的なCBT方式の導入を目指す。

 「共通キャリア・スキルフレームワーク」については、情報処理技術者試験とITSS、ETSS、UISSの各スキル標準との整合性を図る観点から詳細な検討を進め、「産業構造審議会人材育成WG報告書」に示された表の大分類・中分類・小分類(知識項目)に対して所要の変更を行い、とくに組込みシステムに関する知識項目を多く追加。そのほか、人材像や出題範囲などの所要の修正も行った。

 今後の試験実施スケジュールは、08年度秋期試験まではすべての試験区分を現行試験制度で実施。09年度春期試験からすべての試験区分を新試験制度で実施する。現行試験区分のうち「初級システムアドミニストレータ試験」については、09年度春期試験まで継続実施する。
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外部リンク

情報処理推進機構=http://www.ipa.go.jp/