大手SIerのインテックホールディングス(インテックHD、中尾哲雄会長兼社長)とTIS(岡本晋社長)は2008年4月、経営統合する。事業規模の拡大によって受注体力を強めることで勝ち残りを目指す。今年度(08年3月期)の両社の業績見通しを単純合算すると3250億円。トップグループの野村総合研究所や伊藤忠テクノソリューションズなどに肩を並べる勢力になる。スケールメリットを生かしていくことで、2010年度には連結売上高4000億円、営業利益率10%を目指す。

 株式移転方式によって4月に設立する両社の共同持ち株会社ITホールディングスでは、会長にインテックHDの中尾会長兼社長、社長にTISの岡本社長が就く。ともに代表権を持ち、ツートップで経営に当たる。役員・監査役はインテックHD側とTIS側で同数を出し、インテックHDの本社がある富山市に新会社の本社を置くことを決めた。

 TISの今年度連結売上高の見通しは前年度比5.5%減の2000億円、インテックHDは同8.2%増の1250億円で、事業規模はTISのほうが大きい。だが、統合条件では役員数を同数にするなどインテックHDに有利との見方が強い。TISは不採算プロジェクトから完全に抜け出せず、今期は減収の見通し。「諸条件で、TIS本来の実力が反映されていないのではないか」(関係者)とも指摘されている。

 ではなぜ、今のタイミングで統合なのか──。中尾会長兼社長は、「グローバル化で再編の波が大きくなっている」と、率先して波に乗ることが国際競争力を高めることにつながると話す。TISの岡本社長は、「統合による業績拡大によって企業価値を高めることのほうが重要だ」と判断した。

 折しもメガバンクの基幹系システムの統合プロジェクトが段階的に終息に向かうなど、大口顧客である金融業のIT投資が鈍化する見込み。インドや中国でのオフショア開発も拡大しており、従来型の受託ソフト開発のビジネスは不透明感が増す。ITホールディングスではスケールメリットを生かすことで、新しい商材の開発やグローバル展開する投資余力を身につける。2015年度をめどに5000億円、営業利益500億円を目指すと鼻息が荒い。