シマンテック(木村裕之社長)は、来年度(2009年3月期)の重点施策として、法人向けビジネスで(1)業種別営業力(2)SIerとの協業(3)2次販売代理店へのサポートの3分野を強化する方針を示した。一方、コンシューマ向け事業では、シェアが下落傾向にあるなか、「他社に追随するような形で価格を下げるつもりはない」と木村社長は改めて断言。従来通り、付加機能やブランド力など価格以外の面をユーザーに訴求し、トップシェアを堅持する考えを強調した。

 法人向け事業強化施策として進める業種別営業部隊の増強では、企業の業種によってセキュリティやストレージ製品の要望が異なることから、顧客への提案力を高めるためには、業務ノウハウを熟知した営業人員を揃える必要があると判断した。今年の強化業種として木村社長は、金融機関と通信事業者の2業種をあげており、それぞれで人員増強を図る計画だ。

 また、SIerとの連携を従来以上に強め、パートナーにシマンテックの多様な製品群を満遍なく取り扱ってもらえるようにする。ベリタスソフトウェアとの合併で製品・サービスは急激に増えたが、パートナーは従来から取り扱っていた製品を中心に販売する傾向が依然強い。豊富な製品群を広く扱ってもらえるように、既存SIパートナーとの結び付きを従来以上に強める考えだ。

 2次代理店へのサポート充実も図る。木村社長は、ベリタスソフトウェアとの合併後に行ったパートナープログラムの統合、新制度の浸透では「一定の成果は得られた」としているものの、「2次代理店以降のパートナーに対して情報提供などの支援が不十分」と感じており、シマンテックと直接取引きする機会が少ない2次代理店へのサポートを充実させることにした。

 一方、コンシューマ向け事業では、総合セキュリティソフト「Norton Internet Security」と「Norton 360」を中心に、新規市場開拓を引き続き進める。コンシューマセキュリティソフト市場は、大きなウイルス感染が発生していない状況から数年前に比べて成長が鈍化しているが、「セキュリティソフトを未導入のユーザーはまだまだいて、新規市場はある。従来通りの戦略でトップシェアの堅持に挑む」と説明。製品ラインアップの見直しや大々的な販売戦略の転換はないことを強調した。また、競合他社が低価格でシェアを上げていることについては、「他社に追随して値下げすることはない」と改めて断言。従来から価格は下げない方針を示してきたが、08年度も機能やサポート力、ブランド力など価格以外の分野での強みを訴求する方針を示した。