今期受注8倍の見通し

 日立情報システムズ(原巖社長)は仮想化技術をテコにビジネスを拡大させる。仮想化ソフトの開発で先行するヴイエムウェアの技術を主軸に据え、基幹業務システムの刷新需要の取り込みやクライアントシステムの維持管理コストの軽減を進める。拡大基調にある仮想化需要を取り込むことで、3年後の2010年度(11年3月期)には国内仮想化関連市場の約5%に相当する110億円の売上高を目指す。

 日立情報システムズの仮想化関連の受注・内示総額は今年度(08年3月期)、前年度比で8倍程度に拡大する見通しだ。需要の中心だったサーバーの仮想化に加え、クライアントパソコンの処理能力をサーバー側に集約させるクライアントの仮想化需要も顕在化してきた。需要に対応するため同社ではヴイエムウェアの認定エンジニアを現在の17人から来年度は70人に増やす。

 ERP(統合基幹業務システム)で主力商材の1つであるSAPが昨年末、ヴイエムウェア上での動作をサポートすると発表していることから、「今後、仮想化技術と組み合わせたSAPのアップグレード案件が増える」(原社長)と予測する。折しも西暦2000年問題(Y2K問題)のときに入れ替えた旧バージョンの製品サポートが09年末で終了。今年から来年にかけて最新版へのアップグレード需要が見込まれる。

 仮想化技術を使ってシステムを“仮想マシン化”すれば、異なるハードウェアへ移動させる“可搬性”が飛躍的に高まる。仮想化対応のデータセンターへ仮想マシンを移動させることも容易になるため、仮想化を推進することで、日立情報システムズが得意とするアウトソーシングビジネスにつなげやすいメリットも期待できる。

 自社で運営するデータセンターにも仮想化技術を積極的に取り込んでいくことで、自身の運用コスト削減も進める。物理的なサーバーの増加率を極力抑えることでコストの削減を進め、競争力を高める考えだ。国内の仮想化関連市場は2010年度には昨年度比で2倍余りに相当する2200億円に達すると同社ではみており、うち5%に相当する110億円の売り上げを目指す。