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日本AMD PC向けHDソリューション 三洋電機などと協業で提供開始

2008/03/31 20:55

週刊BCN 2008年03月31日vol.1229掲載

 日本AMD(森下正敏社長)は、統合型チップセットを採用したメインストリーム・デスクトップPC向けのHD(高精度)ソリューション「AMD HD! Experience」を提供開始した。ソリューション提供に際して、HDデジタルムービーカメラ「Xacti(ザクティ)を販売する三洋電機とマーケティングで協業することも発表。「AMD HD! Experience」に対応したシステムを搭載するデスクトップPCおよびノートPCとUVD(Unified Video Decoder)対応のソフトウェア、マザーボード、グラフィックスなどには「AMD HD! Experience」ロゴを貼付するとしている。

 同社は、3月4日にグラフィック・プロセッサ(GPU)を内蔵した統合型チップセット「AMD 780 チップセット」を発表している。森下社長は、「新しいユーザービリティを提供する、次世代新プラットフォームを立ち上げた成果の一つとして、協業が実現した。今後は同ソリューションを日本がリーダーとなって(世界に)提供したい」と話した。

 また、吉沢俊介取締役マーケティング本部長は、2008年のプラットフォーム戦略を発表した。同社はノートPC向けのプラットフォーム「Puma(プーマ)」を発表している。「今年後半からは、プーマを中心にCPUとグラフィックの一体化を図っていく」としている。

 また、PCプラットフォーム・プロダクトマーケティングマネジャーの土居憲太郎氏は、家庭におけるHD環境について、「(デジタル一眼レフ、Blu─ray、HD DVDやハードディスクレコーダ、フルHD対応のビデオカメラなど)HDを意識した環境はそろっている」としたものの、「PCにおいては、テレビとの接続性や、各端末からのコンテンツの移動性に問題がある。現在のPCではパワー不足で上手く再生できない」などの問題点をあげた。37型以上の大型液晶テレビの伸びは対前年比で180%超にのぼる。またデジタルビデオカメラの画質別シェアはHD以上の画質が全体の過半数を占めるという。記録メディアの傾向をみてみると、テレビとビデオカメラを直接つなぐユーザーが多くなってきている。だが、今後メディアがメモリカードになると、PCとの連携を望む傾向がある。現在メモリカードつきのタイプは市場全体で40%を超えているという。

 ザクティはSDカードなど半導体メモリに保存するタイプのムービーカメラだ。三洋電機の豊田秀樹・パーソナルモバイルグループDIカンパニーDI事業部DI企画長は、「ザクティはPCオリエンテッド。PC連携では先行しているが、ファイル自体が重いため、HDでは遅れてしまっていた。だが、08年からフルHDに迅速に対応できる環境が整った」と期待を述べた。
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