UPS(無停電電源装置)メーカーのエーピーシー・ジャパン(APCジャパン、内藤眞社長)は、製品ラインアップの増加で事業拡大を図る。米国本社がMGE UPS Systemsと統合したことで品揃えが増加した。日本市場には、統合効果による製品を今年夏頃に投入する予定だ。ほかには、サーバールームの消費電力などを管理するソフトも発売する。UPS以外に熱再循環を防ぐ製品を発売したことから、主戦場となるデータセンター市場で顧客を増やしていく。これにより、売上成長率20%以上を狙う。

 現在、データセンターを取り巻く環境は、物理的なスペースの削減をはじめ、エネルギー対策の観点で省電力が急務になっている。こうした課題を解決するため、サーバーメーカー各社はブレードをはじめとして消費電力を抑えた製品を市場投入している状況だ。 消費電力の削減という点ではUPSも例外ではない。そこで、APCジャパンはUPS関連製品として、モジュール式の冷却システム「InfraStuXure InRow冷却システム」や、データセンター内の熱再循環を防ぐ「HACS」などを相次ぎ市場投入した。主力であるUPS分野では、米国本社が行ったUPSメーカーとの統合で大型製品がラインアップに加わった。日本でも発売する準備を整えている。内藤社長は、「大型UPSと、これまで当社が提供していた小型UPSとの両輪で新規顧客が開拓できる」と自信をみせる。米国本社が日本市場を重視していることからも、「高品質な製品を提供していく」としている。ソフトウェア分野では、英語版で提供していたサーバールームの状況監視が可能な製品の日本語版を今夏に発売。「データセンターの省電力化に対応していく」方針を示している。

 同社は設立当時、他社ブランドと自社ブランドを組み合わせたOEM(他社ブランドによる製品供給)的なビジネスを中心に成長してきたが、最近では自社ブランドのみの製品提供が事業の柱となっている。同社ブランド製品を扱う販売代理店が増えているためで、現時点で直接的に販売契約を結ぶディストリビュータやSIerは25社ほど。今後は製品ラインアップが増えることから「30-40社に増やしたい」意向で、複数のSIerに対して話を進めているという。販売代理店が売るビジネスモデルにも変化が生じてきているため、「今後は支援プログラムを各販売代理店に最適なものに改善するなどパートナーシップを深めていく」としている。こうした取り組みで「データセンターでのITシステム導入は爆発的な伸びをみせている。市場の拡大に合わせ、最低でも20%以上の成長率を目指す」と強気な姿勢をみせている。