ネットワーク系販社のネットワークバリューコンポネンツ(NVC、渡部進代表取締役)は、通信事業者との協業強化に向けてMVNO(仮想移動体サービス事業者)の着手を検討している。携帯電話会社などによる回線の開放が進んでいることやWiMAXなど新しい周波数の提供が出てくることを念頭において、新しいサービスの創造を目指す。

 ネットワーク関連製品のディストリビューションやインテグレーションを主軸とする同社が、今年度(2008年12月期)に力を注いでいる事業の1つはモバイル関連だ。すでに、「メーカーや通信事業者などからの受託をはじめとして端末の開発を始めた」(渡部代表取締役)という。OA(オフィス・オートメーション)やヘルスケア、流通など特定業界向け端末を開発。ほかにも、スマートフォンをベースに社内データとの連携が可能なシステムの提供を行っている。モバイル事業を柱に位置づけようとしていることから、「自社で回線を持つことや、新しい無線規格に対応することを視野に入れなければならない」と判断。MVNOとしてのサービス提供を模索している。

 最近では、NTTドコモがMVNOの日本通信に対して回線網を拡大した。日本通信は、回線の広がりとともに自社ブランド携帯電話を販売し、新しいサービスを創造しようとしている。また、総務省が2.5GHz周波数帯を割り当てたことにより、WiMAXを中心とした新しい無線規格でMVNO市場が立ち上がるとの見方も強まっている。NVCはこうした状況のなか、「多くのニーズに対応していくことが重要」とみているわけだ。

 MVNOとして新しいサービスの提供を模索するにあたり、重点をおいているのは受託開発など既存事業との兼ね合いだ。「新しい事業への着手でモバイル関連事業自体の業績が下がるのは本末転倒。通信事業者を中心に取引先と協業できるような体制を構築する」という。また、自社で回線を持つことになれば、提供するアプリケーションが重要となってくる。「アプリケーションベンダーとの新たなパートナーシップ構築も行っていきたい」意向だ。

 同社は、ネットワーク機器販売の大黒柱であるL2/L3スイッチ市場が成熟期に入ったため順調に業績を伸ばしている。昨年度は、売上高が27億8200万円(前年度比2.9%増)、営業利益は前年度の2倍以上にあたる5000万円と大幅な成長を遂げた。マネージドサービスや保守などの増加が好調の要因で、「売り上げの30%を占めている。これにより、利益を増やす素地は固まった」という。今年度は、売上高35億1500万円(前年度比20%増)、営業利益は大増幅の1億7300万円の見通し。増収増益には、「新規事業が大きく寄与する」。MVNOサービスへの着手も遠い将来ではなさそうだ。