米IBM(サミュエル・J・パルミサーノ会長)は5月15日、「集光型」の太陽電池を使うことで、太陽光発電のコストを大幅に削減できる可能性が生まれたと発表した。

 同社では、大型レンズを使って、1cm2という小さな太陽電池に利用可能な電力にして70W分の太陽エネルギーを集めることに成功した。これは、一般的な太陽電池に比べ、約5倍の効率に相当するという。こうした手法をとることで、太陽光電池の数やその他の部品を10分の1程度に少なくしながら効率的な発電ができるようになる。

 しかし、光を集めることで、太陽電池自体は1600度Cとステンレスが溶けるほどの高温になる。そこで同社はCPUにも使う方式を応用。「液体金属冷却インターフェース」と呼ばれる手法で85度Cまで冷却することに成功した。この冷却方法はコストも低く抑えることができるという。

 「集光型」の太陽光発電技術は1970年代から存在していたが、発電効率が悪く太陽電池の冷却が困難で普及してこなかった。今回成功した方式をはじめ、安いコストで太陽電池の温度を低く保つことができれば、さらに低コストで太陽電力を提供できる可能性も出てきた。同社では、今後も太陽光発電のコストを削減し、効率的な太陽光発電方式の開発をめざす。