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米IBM、「集光型」の太陽光発電に「光明」、画期的冷却技術で低コスト実現
2008/05/19 21:00
同社では、大型レンズを使って、1cm2という小さな太陽電池に利用可能な電力にして70W分の太陽エネルギーを集めることに成功した。これは、一般的な太陽電池に比べ、約5倍の効率に相当するという。こうした手法をとることで、太陽光電池の数やその他の部品を10分の1程度に少なくしながら効率的な発電ができるようになる。
しかし、光を集めることで、太陽電池自体は1600度Cとステンレスが溶けるほどの高温になる。そこで同社はCPUにも使う方式を応用。「液体金属冷却インターフェース」と呼ばれる手法で85度Cまで冷却することに成功した。この冷却方法はコストも低く抑えることができるという。
「集光型」の太陽光発電技術は1970年代から存在していたが、発電効率が悪く太陽電池の冷却が困難で普及してこなかった。今回成功した方式をはじめ、安いコストで太陽電池の温度を低く保つことができれば、さらに低コストで太陽電力を提供できる可能性も出てきた。同社では、今後も太陽光発電のコストを削減し、効率的な太陽光発電方式の開発をめざす。
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