ソフト開発のベストロン(二井恒仁朗社長)は、4月に始めたSaaS型サービス「ベストロン・アイ・スイート(BiS)」で、ISVとの協業でサービスメニューを拡充する。ISVが持つパッケージソフトをOEM調達し「BiS」ブランドでサービス化する戦略を立てた。今後ISVとの交渉を始める計画。第一弾で提供した会計機能のSaaSサービスは自社開発したものの、今後は自社開発にこだわらず、ISVと組むことで開発コストを削減、中小企業が購入しやすいように低価格で販売する。

 ベストロンは、「BiS」シリーズのSaaS型サービスとして会計機能の「i会計」を4月下旬に発売し、SaaSサービス市場に進出。「i会計」と、ソフトをインターネットを通じて提供するためのIT基盤を自社開発して参入した。「i会計」は個人事業主や従業員10人以下の零細企業をメインターゲットにし、月額利用料金を「SaaSサービスで最安値」(二井社長)の800円(最小構成)に設定。3000社の顧客獲得、売上高1億円の突破を目標に掲げ、4月30日に発売した。二井社長は、「i会計」について「国内約200万社の中小企業の会計業務はIT化されていなく、ITベンダーもあまり踏み込んでいないとみている。この市場なら、後発でも勝てると信じている」と話している。

 「i会計」は「BiS」の第一弾サービスで、今後第二弾、第三弾のサービスを発売予定。サービスの種類を拡充する。今年度(2009年3月期)下期には人事・給与機能をメニュー化し、その後に販売・顧客管理、グループウェア文書管理サービスを揃える計画だ。今後メニューを拡充するアプリケーションソフトは、他社との協業での開発を基本戦略にする。ISVが持つソフトを調達して、自社のSaaS基盤で動作可能にし、「BiS」ブランドとしてメニュー化。ベストロンが販売する体制を築きたい考えだ。「i会計」は自社開発したが、今後は開発コスト削減のために、「基本的には自社開発しない」(二井社長)と、他社とのアライアンスによるサービスモデルを考えている。これからISVとの交渉に乗り出す計画だ。

 ベストロンは1991年設立のソフト開発会社。2次請け開発が主で、NTTデータやNTTドコモなどNTTグループからの委託を受けたソフト開発ビジネスが全売上高の約70%を占める。「金融業向けネットバンキングのWeb型決済システムや、NTTドコモの通信料およびコンテンツ利用料金の課金システム開発で、SaaS型サービスのノウハウを身につけてきた」(二井社長)。ITベンダーからの委託開発では「付加価値が少なく、夢が持てない」という二井社長の考えから、約2年前からSaaS事業を計画し、今回の参入に至った。