2008年5月1日付で、ユニアデックス(高橋勉社長)がSIとNIを手がけるS&Iを子会社化した。S&Iはネットマークスの子会社だったことから、日本ユニシスグループの子会社間でシフトしたわけだが、ユニアデックスにとっては日本IBMとの協業強化を図ることが最大の狙いだ。ユニアデックスとS&I、日本IBMの3社による協業強化により、さまざまなシステム案件を獲得することも企図している。

 ユニアデックスは、特定のメーカーにこだわらずコンピュータシステムやネットワークインフラの構築や保守・サポートで定評がある。多くのメーカーを扱うマルチベンダーのビジネスを徹底していることから、さまざまな顧客を確保しているものの、「IBMに関しては、ほかのメーカーに比べて穴が開いている」(高橋社長)と、IBM製品関連のビジネス案件が少ないことを打ち明ける。そこで、S&Iを子会社化することにより、S&IがIBM製品を使って構築したシステム案件の保守・サポートを手がけるビジネスモデルの確立を構想しているのだ。

 S&Iにとっては、ユニアデックスによって全国網のサポート体制が敷かれることになるわけで、さらに多くの案件を獲得できるポテンシャルを秘めている。しかも、ユニアデックスは通信事業者であるKDDIと回線サービス面で提携している。もともとS&IはNIを得意としていただけに、ユニアデックスグループとしてネットワーク案件の増加にもつなげていく。

 ただ、日本ユニシスと日本IBMは金融分野で競合しているというイメージが強い。これまではS&Iがネットマークスの子会社だったことから、「日本ユニシスと離れている」と日本IBMが認識していた可能性がある。日本ユニシスグループの中核であるユニアデックスの傘下に収まることで、S&Iと日本IBMのパートナーシップが薄れる危険性があるのだ。こうした懸念材料について、高橋社長は「日本ユニシスと日本IBMの競合はビジネス範囲のほんの一部。ベンダー間の競合がある一方で協業が頻繁に行われている状況下では問題になるようなことはないだろう」とみている。

 日本ユニシスグループがITと通信を融合させたICT関連のプラットフォーム分野で近い将来に主導権を握ることを目指しているなか、ユニアデックスとS&Iが連携強化すれば、S&Iが得意とするサーバーやネットワークの仮想化を含めたプラットフォームの提供などビジネス領域が広がる。さらに、日本ユニシスグループが手がけるビジネスのなかで日本IBM製品も網羅するようになれば、一段と強固なプラットフォームを提供できるようになるといえそうだ。ユニアデックスでは、日本IBMとパートナーシップを深めることも視野に入れており、「当社とS&I、日本IBMの3社で協業し、システム案件を獲得することも進めていく」方針。