日本オラクルはISV向け支援制度「On Oracle」に新プランを追加し運用を開始した。オラクルが拡販したい戦略的商品を定め、それに合わせた新技術・販売支援をISV向けに短期集中展開するプログラムだ。オラクル製品を使ったパッケージソフトの開発サポートだけでなく、プロモーション活動援助や販売パートナーの紹介、販売実績に応じたインセンティブの提供など、販売面も手厚く支援する内容にした。すでに第一弾としてBIツールで新プランを導入。今後は、BIツール以外のプロダクトで同様の短期集中支援制度を推進する。特定商品に合わせたきめ細かな支援内容を用意することでISVを囲い込み、自社製品の拡販に結び付ける狙いだ。

戦略商品に特別な技術・販売支援

 「On Oracle」は、データベース(DB)など日本オラクル製品を採用したパッケージソフトを開発するISV向けの技術・販売支援プログラムだ。新プランは、オラクルが短期的に拡販したい戦略商品(機能)を定め、そのプロダクトに合わせた支援内容を新たに作ったもの。オラクルは、新プランを広くISVに告知して参加企業を募り、そのなかから選定したうえで短期集中支援する。

 内容は、ISVの開発者向け技術支援から営業・マーケティング担当者が活用できる販売サポートなど「技術と販売の両面を援助するプランにした」(遠藤哲・アライアンス統括本部パートナービジネス推進本部ソリューション推進部部長)。オラクルがパートナーに提供する支援内容は主に4つ。(1)ISVがオラクル製品に対応するための技術支援、(2)オラクルのWebサイトでの告知や共同セミナーの開催などのプロモーション支援、(3)PRのための事例公開支援、(4)広告掲載費用負担などのインセンティブ提供──がそれだ。これらの支援内容を特定商品ごとに内容を変えて、ISV向けに提供する。オラクルは、ISVの目標や実績などの販売データを共有し、それに合わせて支援内容を変更する仕組みにした。

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 今夏に新プランを適用した第一弾となるプロダクトが、BIツールである「Oracle Business Intelligence Standard Edition One(Oracle BI SE One)」だ。中堅・中小のユーザー企業をターゲットにした安価なBIツールで、経営データを分析するために必要な機能をパッケージ化し価格を62万5000円(5ユーザー)に設定した。潜在需要が強いといわれるSMB(中堅・中小企業)のBI市場開拓を狙う戦略商品で、2007年9月に発売した製品だ。

 オラクルのソリューション推進部では、発売前の昨年春からISVに対し同ツールと自前のパッケージソフトを組み合わせた連携ソリューションの開発を促すために、ISVのリクルートを開始していた。DBセキュリティソフト販売のニューシステムテクノロジー(NST)やERP開発・販売のワークスプロダクツなど約30社のISVが「Oracle BI SE One」に対応。「予想以上の成果を上げることができた。この時のパートナー支援作業を精査し、ガイドライン化して新プランの作成に役立てた」(遠藤部長)という。

 今後は、「Oracle BI SE One」以外のプロダクトとテーマでも新プランを適用する。基本スケジュールとして3か月に1プロダクト・テーマで推進する予定で、9月から第二弾として、「RAC対応」関連を始める。その後、来年1月からは「DBアップグレード」、4月からは仮想化製品の「Oracle VM」関連で支援内容をそれぞれつくり、ISVを支援する。

 オラクルは、特定商品ごとにきめ細かい支援内容を設けることで、従来の「OnOracle」のサポートプログラム以上に手厚くISVを支援。ISVにメリットを感じてもらい、有力ISVを囲い込み、自社製品の拡販に弾みをつける算段だ。また、販売状況をISVと直接共有できることで、「流通業者経由ではISVがどの程度オラクル製品を売っているか把握できなかった」(遠藤部長)点を解消する。