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応研 「なりすまし」対策に静脈機提供 代理発注ミスを未然防止

2008/09/22 21:08

週刊BCN 2008年09月22日vol.1252掲載

 応研(原田明治社長)は9月10日、自社の会計など業務ソフトウェアシリーズ「大臣2008シリーズ」ユーザー向けに「手のひら静脈認証センサー」によるログイン機能を追加した。社内外に情報が漏えいしやすい「ID・パスワード」による認証と異なり、静脈認証は「なりすまし」による不正アクセスをより高度に防止できる。業務ソフトのユーザー企業には、複数の人が利用する形態が増加。勤怠管理の代理押印や発注権のない人員の代理発注などの事故が懸念されている。同社ではこのセンサーを、内部統制上のリスク管理モジュールとして、販売パートナー約4000社を通じて展開。既存・新規の両ユーザーに向け、3年間で1000セット販売することを目指す。

 同センサーは、富士通子会社の富士通フロンテックが製造・販売する手のひら静脈認証センサー「PalmSecure(パームセキュア)」。応研は富士通グループが提供するソフト開発キット「PalmSecure SDK」を使って、手のひら静脈認証の「連携モジュール」を開発。「大臣シリーズ」上での高精度なログイン認証を可能にした。岸川剛・取締役は「この『連携モジュール』と同センサーを使うことで、これまで必要だった個別カスタマイズを行わず、基幹業務のセキュリティを高められる」と、同センサーと「大臣シリーズ」とを連携させた利用を促す。

 同センサーは、マウス一体型で2万8800円、手のひら静脈認証センサーだけのスタンダード型が2万5800円の2種類を用意した。「大臣シリーズ」ユーザーは、「連携モジュール」を今後1年間無償でダウンロードできる。同シリーズを新規に導入したユーザーも無償になる。販売を担当する東京本社の中村和人・営業部販売促進課主任は「中堅・中小企業の利用環境は、マルチユーザーになっている。責任者決裁を『なりすまし』て、ロットの大きな発注ミスをする事故も相次いでいる」との事例を披露し、内部統制のリスク管理上、こうした機能が必要と説明している。
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