レノボ・ジャパン(ロードリック・ラピン社長)は、x86サーバー合計5モデルを製品化、国内サーバー市場に参入した。中国の本社が今年1月に世界共通の方針としてサーバー市場進出を発表しており、今回具体的なモデルやサービスメニューなどを用意し、発売に至った。主なターゲットは従業員500人以下の中堅・中小企業。国産、外資メーカーがひしめく激戦区市場に最後発として挑戦する。

 製品の名称は「Think Server」。発売したのは、タワー型3機種とラック型2機種の合計5モデルで、それぞれ1ソケットと2ソケットモデルを用意した。プロセッサは全てインテル製品を採用し、「Core 2 Duo プロセッサ」と「Xeonプロセッサ」を使う。

 OSの正式サポートは、マイクロソフトの「Windows Server」とノベルの「SUSE Linux Enterprise Server」で、レッドハットのLinuxも動作確認は終了済み。価格は10万6000円から。ブレード型は今回製品化を見送った。開発にはIBMの技術協力を受け、製造およびサポートはレノボが手がける体制を取った。

 レノボが独自開発した導入・運用管理ツール3種類を用意したことが、他社との差別化ポイントとなる。(1)ハードの基本設定ツール「ThinkServer EasyStartup」(2)ファームウェアなどの更新専用ツール「同 EasyUpdate」(3)複数サーバーの運用状況を一括監視可能なランデスクとの共同開発ツール「同 EasyManage」がそれだ。メインターゲットをSMB(中堅・中小企業)に置いていることから、このツールを無償付加することで、情報システムの専任管理者がいない企業でも容易に導入・運用できる点を訴える。

 また、SMBが検討しやすいようにサポートサービスをパッケージ化し、3種類用意した。

 (1)24時間対応で電話サポートするエントリー版「Priority Support」と、(2)それに4時間対応のオンサイト保守サービスを付加した「Priority 4」(3)英語版のオンライントレーニング(日本語版は12月開始の予定)とオンサイトのハードインストール代行を付加した「Productivity」だ。拡販施策として、2009年3月末までの出荷分は「Priority Support」を90日間無償提供する。

 原田洋次・マーケティング・広報本部執行役員本部長は、「最後発での参入で失うものは何もない。販売パートナーの感触は思った以上にいい。ボリュームゾーン(台数が多く出る)分野をターゲットにしているだけに当然シェアを獲りにいく」としながらも具体的な数値は明言を避けた。なお、ブレードサーバーの投入については、「自社のサポート体制をみて、ブレードを投入する段階ではないと判断している。ただ、「今後については未定」とし、ラインアップする可能性を示唆する。

アナリストの
レノボにシェア獲りの余地は?


 国内2007-12年までのx86サーバーの年平均成長率は、台数で4.2%、金額では2.2%を見込み、2012年には全サーバーの57%を占めるまで成長する。レノボ・ジャパンが今回用意したラインアップは、x86サーバーのなかでも最もニーズが強い分野。それだけに大激戦区でもある。

 最後発で参入したレノボのシェア獲りのカギは、販売パートナーのやる気をどこまで喚起できるかにかかっている。レノボのクライアント(PC)を販売していたパートナーは、サーバーでは日本IBMなど他社製品を販売している。つまり、いかに他社製品からレノボ製品に乗り換えてもらえるかだ。レノボの販売パートナーのなかには、PCとサーバーの調達・サポート窓口を1社に絞りたがっているベンダーもいる。そのような販社は、今回の話を歓迎しているだろう。(談)