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ITホールディングス “内部固め”を重視 統合をより確かなものに

2009/01/12 21:24

週刊BCN 2009年01月12日vol.1267掲載

 急いては事を仕損ずる──。ITホールディングス(ITHD、中尾哲雄会長)の岡本晋社長は、統合作業を慎重に進める。旧TISと旧インテックホールディングスが経営統合してから2009年4月で丸1年。生い立ちが異なる両社の統合だけに、功を急ぐあまりの組織改編は逆効果になる。証券アナリストや評論家からは大きな統合効果を期待されていただけに「厳しい評価が目立つ」(岡本社長)というが、今は4月から始まる中期経営計画に向けての「助走期間」。外野の声に過度に影響されることなく、内部固めを重視する。

 統合によって社員は1万6000人近くに増えた。組織も複雑化し舵取りにも時間がかかるが、「全員が整然と仕事をし、期待通りの進ちょく」と、途中経過に手応えを感じる。統合発表時は2010年度に年商4000億円の目標を掲げていたが、世界経済の急変で視界が悪くなったのは事実。今期(09年3月期)については期初目標を変えず、巡航速度を維持する。巧遅は拙速に如かず、という言い回しもあるものの、「組織の成熟度を高め、統合を揺るぎないものにする」ことが顧客からの信頼をより確かなものにする近道と考えている。
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