パッケージソフト開発などのテンダ(小林謙代表取締役)は、自社開発したプロジェクト管理(PM)ツール「Time Krei」のASP・SaaS型サービスを開始し、SaaS市場に参入した。拡販施策として、5ユーザーまでフル機能を無期限で無償提供、6ユーザー以上で課金するビジネスモデルを推進する。まずは無償でユーザー数を増やして、認知度向上と製品の優位性を広くPRする戦略を打ち出した。すでに約110社の無償ユーザーを獲得済み。早期に無償ユーザー750社の獲得、そのうち100社を有料ユーザーにする計画だ。

 「Time Krei」は、テンダが自ら開発したパッケージソフト。ソフト開発などさまざまな業務・プロジェクトの進捗や原価を管理できる機能と、グループウェアを統合したツールだ。当初はテンダが自社のソフト開発業務を効率管理する目的で開発したが、外販できると判断し、昨年4月に販売開始した。

 グループウェアの予定と実際の業務実績を入力するだけで、プロジェクトの進捗管理ができる使いやすさが特徴。4月1日から始まる事業年度から、ソフト開発企業にも事実上求められる「工事進行基準」に対応するためのサポート機能も付加した。初年度価格153万7500円(50ユーザーの場合)で販売している。

 今回用意したのは、そのASP・SaaS版。パッケージソフトと機能面で変わりはないが、フル機能を5ユーザーまで無期限無償提供する戦略をとっている。有料になるのは6ユーザー以上(最小契約単位は10ユーザー以上から)で、その場合の月額利用価格は1ユーザー2980円とし、初期費用は不要。3月から無償提供を始めており、すでに約110社のユーザーを獲得しているという。

 フル機能を無期限無償提供した理由について中村繁貴・取締役市場・製品開発本部本部長は、「PMツールはすでに多くのソフトメーカーが市場に出しており、当社は後発。PMツールは高価で操作が複雑なものが多い。使いやすいソフトを導入障壁が低いSaaSとして提供すれば、開拓の余地はあると考えた。利用する障壁をもっと下げるために、フル機能を無期限無償提供という結論に至った」と説明。まずは無償提供により利用者数を増やして、製品の優位性を広く告知するつもりだ。

 ASP・SaaS版を発売した後もパッケージ版は販売を継続し、パッケージとサービスを併売する考えだ。販売方法は、パッケージではほかの自社開発ソフトで取引がある販社に「Time Krei」を扱ってもらえるよう交渉するといったように、間接販売を重視する。一方、ASP・SaaS版は直販を中心にする。SEO(検索エンジン最適化)などを強化してWebマーケティングに力を注ぐことで、ユーザーがWebサイトから直接購入することを促していく。

 テンダは1995年設立のソフト開発企業。受託型ビジネスほか自社開発のパッケージソフトも持つ。主力商品でeラーニングシステム作成ソフト「Dojo」は約1500社に納入した実績がある。(木村剛士)